日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「イョ!男前!!」-今年の顔-

2004-12-29 11:05:34 | スポーツ
年末になると「今年の顔」という感じで、様々な雑誌の表紙を飾る人がいます。
アメリカの雑誌「ニューズウィーク」や「タイム」の新年号の表紙を飾る人が、その年影響力のあった人とも言われますね。
さて、さて、書店で眺めてみてください。
一般紙からファッション誌など、多くの表紙を飾っている人がいます。
プロ野球の古田敦也選手です。

確かに、今年古田選手の活躍ぶりは「八面六臂」でした。
昼間はスーツに書類カバンを持って、球団代表との折衝。
夜はユニフォームに着替えての大活躍・・・。
「いつどんな時でも、その時その時に応じた対応が迅速にできる人物だ」という印象があります。
ビジネスマンとしても、相当優秀な人だと言う気がします。

スポーツ、特にプロ・スポーツの世界の人たちは、良くも悪くも、どこか「スポーツ馬鹿」というところがあります。
子供の頃から、ドップリとそのスポーツの世界に浸かりきって、一般社会というモノを知らないまま大人になり、選手として活躍をしている時は良いのですが、引退後は・・・という方が、少なくないように思います。
そして、このような選手達の多くは、子供の頃から親だけではなく周囲の期待もあり、そのような環境しか提供されずに大人になっている、とも言えるのではないでしょうか?
よく言えば「スポーツ純粋培養」型の選手です。
しかし、今はそのような選手を社会が求めていません。
「社会を構成するひとりとして、どのように考え行動することができるのか?」ということを、常に注目されながら、スポーツの世界でも活躍することを期待されているのです。
その期待に具体的なカタチで応えた選手が、古田選手だったのではないでしょうか?

ルーキーの頃「ドラえもん」の「のび太君」に似ているとか言われたようですが、今ではまったくそんな感じはありませんね。
「選手としてだけではなく、人として大きく成長されたのだ」と言う気がします。
その証拠?に、雑誌を飾る表紙それぞれの表情がとても豊かです。

さて、引き立て役となった人たちを見て見ましょう・・・。
彼等は選手ではありませんが、企業における「お山の大将」だったために、一般社会の動きが分からなくなっていた人たちです。
そして残念なことに、未だにそのことに気づいているとは思えない人たちばかりなのです。
マーケティングには「その事業(のあり方)を決めるのは、企業ではなく市場である」という考えがあります。
彼等は優秀なビジネスマンだったのかも知れませんが、社会変化によって自分達の行っている事業概念が変化し、社会的使命も提供する内容もわからなくなった人達だったのです。
そのせいか・・・新聞などで報じられる表情もどこかズレた印象です。

古田選手のような人のことを「男前!」と呼びたくなりますね。
そして、そんな人達が増えればもっと素敵な社会になると思うのです。