日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「原理主義」

2004-12-28 18:23:24 | Weblog
今日は、官公庁の仕事納めでした。
多くの企業も、午前中で仕事を(無理矢理)片付けて、午後からは大掃除。
夕方には、お寿司等でビールで軽く「慰労会」というスケジュールだったのでは?

さて、今年を象徴する言葉は「災」でした。
一昨日のスマトラ島での地震や大津波は、周辺が観光地と言うこともあり現地の人たちだけではなく、クリスマスホリデーを過ごしていた日本人を含む世界各国の人たちをも飲み込む、甚大な被害をもたらすものとなりました。
正に「災い」という言葉が「今年を象徴する言葉であった」ということでしょう。

私個人として、もうひとつ今年を象徴した言葉をあげたいと思います。
それが「原理主義」です。
「原理主義」という言葉を聞くと、「イスラム原理主義」を思い浮かべます。
でも、本当は「プロテスタント-キリスト教徒」の一つの考え(=「根本主義者」)のようなのです。
インターネット版「大辞林」では
〔fundamentalist〕聖書の無謬性を主張し、天地創造やキリストの処女降誕・復活・再臨などの教理を根本原理として文字どおり信じるプロテスタント-キリスト教徒。1920年代以降、アメリカを中心に広がる。原理主義者。ファンダメンタリスト。
とあります。
そして、この「ファンダメンタリスト」達が、この秋のアメリカ大統領選挙を大きく左右した、とも言われています。
この科学の時代に「天地創造やキリストの処女降誕・復活・再臨」等ということを、真面目に信じているアメリカ人がいるということに、違和感を感じる方もいるかも知れません。
でも、アメリカは宗教大国でもあるのです。
例えば、アメリカ全土に放送されているCTVの人気番組のひとつは「カリスマ牧師の説教」番組とも言われています。
この「ファンダメントリスト」達の基本的は社会行動は、「妊娠中絶の反対」だけではなく、排他的で、人権問題に対しても保守的だと言われています。ある部分では、とても「利己的な考え」を他の人にも押し付けていると言われています。
問題なのは彼等の多くが、ブッシュ大統領の大票田である南部の高学歴・高収入と言う社会的・経済的に高い人たちで、莫大な金額を教会を通して政治団体に寄付金を提供していることでしょう。
言葉を変えれば「キリスト教が、世界の中心である」ということなのです。
この考えは、私たちが知っている「イスラム原理主義」と似ていると思いませんか?

そして、イスラム教についてです。
世界で一番熱心な信徒がいるのが、「イスラム教」なのです。
中東だけではなく、アジアの多くの国ではイスラム教を信じています。
逆にいえば、日本人が主に信じている「仏教」は東アジアのごくごく一部に過ぎません。
アメリカのイラク侵攻は、「原理主義」を利用した一国利益目的VS「原理主義」だとも思えるのです。
むしろ「イスラム」の人たちは、宗教に対して純粋な感じがします。
だからこそ「自爆」という行為ができるのでしょう。

日本人にとって、宗教は年中行事の一つと言うニュアンスがありますが、世界では宗教の考えを基に生活をしている人たちのほうが遥かに多く、頑なに「原理主義」を守り、他の考えを受け入れる事ができない人たちがいるということを、忘れてはいけないのでは?