日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

表現の印象

2006-08-30 22:04:01 | アラカルト
昨日だったか?新聞の夕刊に、チョッと変わった見出しに目を引かれた。
「マツタケロンダリング」
「マネーロンダリング」ならぬ、「マツタケロンダリング」だ。
記事の内容は、北朝鮮から輸入されてきた「マツタケ」だが、原産国表示で「北朝鮮」と表示されると、消費者イメージが悪くなる為中国経由で輸入し、表示そのものも「中国」にするという動きがある、ということだった。
スポーツ新聞などでは、時折寒いギャグのような見出しを見ることがあるのだが、全国紙で見るとは・・・「言いえて妙」というか、なかなかの表現という印象をもった。

今月発売のVOUGE Nipponに、別冊として「ビューティーマガジン」が付いている。
最新のコスメ情報やサプリメント、ダイエットなどの記事が満載で、なかなかの読み応えがあった。
その中で「お直し」という言葉が、ひっかかった。
「お直し」と聞いて、何を思い浮かべただろうか?
普通に、洋服などの「サイズ直し」という人が、多いのではないだろうか?
ところが、この冊子での「お直し」とは、整形美容手術のこと。
一時期「プチ整形」という、言葉を頻繁に耳にしたが、「お直し」というのは「プチ整形」というレベルのものではない。
張り出した顎を削ったり、豊胸といった大掛かりな(と思われる)整形美容手術なども含んでいるのだ。
もちろん、この整形美容手術レポートは日本ではなく、「整形美人」が当たり前となりつつある韓国。
「整形美容手術」と言うと、どことなく後ろめたいというイメージがあるが「お直し」となると、「プチ整形」よりももっと気軽な印象がある。
手術そのものは、「プチ整形」よりもはるかに大掛かりで、高額なのにだ。

メディアなどで目にする「言葉」も、意味そのものはとても重たいものであるはずなのに、カタカナや表現をかえることで随分と軽くなってしまうものが少なくない。
「マツタケロンダリング」は言いえて妙だったが、「お直し」という「整形美容手術」はそのリスクなどをすっかり忘れさせてしまうような気がする。