日々是マーケティング

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焦りのあらわれ?王子製紙TOB策

2006-08-21 22:26:54 | ビジネス
昨日決着がつかなかった高校野球決勝は、早稲田実業が接戦を制し初優勝を飾った。
高校野球球史に残る試合だったことは、間違いないだろう。
これほどの試合を見せられると、プロ野球はどうなってしまうのだろう?
チンタラした試合をすれば、ファンが急速に離れてしまうように感じる。
その意味で、プロにも影響を与える試合だったのではないだろうか?

讀賣新聞のWEBサイトに、王子製紙が北越製紙の地元に広告という、記事が掲載されていた。
王子製紙が北越製紙にTOBを仕掛けて、一ヶ月ほどたったのだろうか?
その間、王子製紙のラブコールを、北越製紙は袖にしている。
三菱商事や日本製紙なども加わって、混沌としてきた。

ただ、王子製紙に対して北越製紙だけではなく、北越製紙の地元政財界も反応は鈍い。
あからさまに反対とは言ってはいないにしても、不快感は隠してはいない。
そこへ、今回の新聞広告である。
一連の流れを見てみると、王子製紙の分が悪いという感じだ。

王子製紙が仕掛けた「TOB」=敵対的買収は、日本社会に馴染まない。という説があるが、米国でも今では敵対的買収ではなく、互いの企業の強みを持ち寄る業務提携が主流になりつつあるとも言われている。
ビジネスの世界では、既に敵対的買収のメリットよりもデメリットのほうが高く、市場も反応しないということなのだと思う。
少なくとも、北越製紙の一部のステークホルダーにとっては、魅力の無い王子製紙のTOBということだということは、十分考えられる。

理解を得る為の広告を打っても、敵対的買収と受け止められ、不快感をあらわにされてまでこだわる理由は、王子製紙だけのメリットしかないと思われているという事実。
一体王子製紙は、何にこだわっているのだろう?
企業規模が大きい=市場占有率高いということが、市場有利だとは限らない。
そのことを王子製紙は知っているのだろうか?