日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

製品回収-問題意識の違い?-

2006-08-29 22:28:07 | ビジネス
パロマ工業社製のガス湯沸し器の、回収命令が出た。
「改造可能な製品=不良製品」の為、至急回収の必要がある、という判断だ。
パロマのドタバタには、地元企業ながら情けない・・・というか。
今日になっても、「製品不良ではない」という見解を発表している。

そもそも、ガス湯沸し機を改造しようと思う生活者は、どれだけいるのだろう?
ガス器具というのは、調子が悪いからといって自分で修理をするというのは、あまり考えられない。
我が家向けの「カスタムメイド」などという、発想が起きない製品でもある。
とすれば「改造しやすい」というのは、誰に向けて製品化したのだろう?ということになる。
素直に考えれば、「何かあったときには、専門業者が修理しやすい=改造しやすいように」と考えられていた、と思われても仕方ない。

昨年、松下電工のファンヒーターの回収には、テレビCMだけではなく、新聞広告はもちろん、折り込みチラシや戸別チラシやハガキ、公共料金などの領収書に同封して回収努力をしていた。
そのために掛かった費用は、膨大な額だったといわれている。
一冬、様々な手段を使って回収努力をしても、まだ回収しきれていないのか?テレビCMなどは、梅雨時まで単発ではあるが続いていた。

今回、パロマだけではなくガス会社各社が、点検・回収についてのお知らせをテレビCMでしていた。
ただ全体から受ける印象は、ガス会社のほうが熱心で、肝心のパロマの動きが遅いということだ。  
動きの遅さは「製品不良」という認識が、ない(あるいは薄い)ということだろう。
それが、今日の発言に結びついているように思う。

パロマは、今回の事件の初期対応の悪さで、不信感をもたれてしまった。
しかし、それを現実認識できていない。
ますます、生活者は厳しい見方をしていくだろう。
先日起きたシュレッダー事故にしても、「何か起きた時、どう対処するのか?」という初期対応で、生活者は企業判断をする。
それは昔も今も変わってはいない。
どうして、それが分からないのだろうか?

そういえば・・・しばらく前に読んだビジネス雑誌に「EQが低いのは、CEO」という記事を読んだ。
経営責任者のEQの高さが、今求められているのかも知れない。