日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

お父さんの服と景気の関係

2006-08-19 22:41:10 | マーケティング
一昨日のエントリ「シニアの海外ロングスティ」にコメントをくださった、eiga さんありがとうございました。ただ・・・大変申し訳ないのですが、お名前に記憶が・・・最近物覚えが悪いだけではなく、忘れることも加速度的に早くなっているようで・・・。

今日、多くの朝刊一面を飾ったのは「フタタがコナカと統合」だった。
九州で事業展開をしているフタタという紳士服量販店を、業界第2位のアオキがTOBを表明してから、短い期間での決着だった。
元々、フタタはコナカと事業提携をしていたということも、早い決着となった理由だろう。

アオキにしても、コナカにしても九州という限定的な地域で事業展開をし、業界7位という中位にあるフタタに対して経営統合を持ちかけたのは、将来的な紳士服市場の縮小という危機感があったからだといわれている。
団塊の世代が定年退職をし、紳士服のメイン商品である「背広」の売上の減少。
少子化による市場全体の縮小。というのが大きな理由。
でも、本当にそれが紳士服市場を縮小させる理由なのだろうか?
というのも、昨日の毎日新聞WEBサイトに紳士服:ママはいつも買ってるが、パパのスーツは景気次第 動向指数とほぼ一致という記事が、掲載されていたからだ。

「(家庭における)お父さん立場指数と景気の関係」から、「(家庭における)消費の優先順位」を探っている。
記事中にある図表を見る限りでは、被服費などにおけるお父さんの立場は、とてもビミョ~で自由裁量はないようだ。
いくら世間で「チョイ悪オヤジ」などと、「オジサンファッション」の質の向上を目指して、雑誌などでいってみたところで資金調達が出来ないというのが、現状ということになる。

バブル真っ盛りの頃、オジサンファッションの定番は、「イタリア系Wのソフトスーツ」だった。
「濃紺のWジャケットにグレーのゆったり目ズボン」というコーディネートのオジサンばかりだった。でなければ、肩ラインが緩やかなアルマーニ風か。
当時は、Gアルマーニは手が届かなくても、新卒男子がエンポリオ・アルマーニのスーツを当たり前のように着ていた。
やはり経済的余裕が、気持ち的にもあったからだろう。
とすれば・・・紳士服業界の将来は景気動向に左右される可能性のほうが、高いのかも知れない。

量販店だからこそ、高品質で長期的に着られる紳士服の提案が必要なのかも知れないし、独自のサービスとして背広のメンテナンスや着古した背広を回収し、リサイクルウールによる新しい商品開発など、「顔が見える」商売がこれから大切となっていくような気がする。