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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「恵方巻き」に考える

2011-02-03 19:52:40 | トレンド
今日、チョッとお出掛けをした。
その帰り、百貨店に寄った。
地下の食品売り場に行くと、人だかりが出来ている。
「何事?」と思い、行ってみると「恵方巻き」を買い求めている人たちだった。
おかげで、いつもなら人気のあるデリカ(お惣菜コーナー)は、閑散としている。

「節分の恵方巻き」が、全国的に定着しはじめたのはいつ頃からだろう・・・と、記憶を辿ってみると、ここ10年ほどのコトではないだろうか?
元々、関西(と言うより、大阪)で行われていた、節分行事の一つだったと思うのだが、それがテレビに紹介されると同時期に、コンビニに登場し、一気に全国へと広まっていった。
何かのテレビ番組で見たら、昨年恵方巻きを食べた人は、豆まきをした人を上回っていた、とあった。
今の住宅事情では、豆まきそのものができる環境ではない、と言うコトだろう。
高層マンションの高層階から「鬼は外~」と豆をまかれたら「鬼が逃げ出す」というより、人に危険を及ぼす可能性の方が高い。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、幼稚園や保育所で豆まき経験をするので、自宅ではやらないと言うご家庭もあるかも知れない。

さて、そんな「恵方巻き」売り場を通り過ぎ、デリカコーナーを見ていたら「恵方生春巻き」と言った商品が目に付いた。
他にも「スィーツ恵方巻き」と称した「ロールケーキ」などが、販売されている。
そんな商品を見ていて「恵方巻き」と付ければ、何でもOKと言う訳ではないんじゃ・・・と言う気がしてきたのだ。

「恵方巻き」と呼ばれているが、何か特別な食材が使われている訳ではない。
いわゆる「太巻き寿司」だ。
もちろん、最近では「豪華海鮮恵方巻き」と言った「豪華版太巻き寿司」も登場しているが、スタンダードなモノは、ごく普通の「太巻き寿司」だろう。
それを「恵方巻き」という、ネーミングの良さが多くの人を引きつけているのだと思う。
それにあやかって、「巻もの」なら何でも「恵方巻き○○」にして売ろう!と言う、売り手の魂胆(と言っては失礼だが)を感じてしまうのだ。
と同時に「恵方巻き」と何でも付ければ、売れると言う安直な発想にも疑問を感じてしまうのだ。

自宅で「太巻き寿司」を作るのは、確かに手間がかかる割には、上手に巻き上げることが出来ない。
だからスーパーやデパ地下で購入すると言うのは、よく分る。
そこに付け込んだような「亜流恵方巻き」に抵抗感を感じてしまうのは、私だけだろうか?
少なくとも今日売り場を見た限りでは、私だけではないように感じたのだが・・・。