日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

学生割だけじゃなくって・・・

2011-02-13 20:32:51 | ビジネス
この時期になると、頻繁に流れるテレビCMがいくつかある。
その一つが、「携帯電話の学生割」のテレビCMだ。
docomoとauは、高校生と同世代のタレント(?)さんを起用し、「学生」を意識している。
それに反し、ソフトバンクは「白戸家」のお父さんとお兄さんに、小料理屋の女将・松田聖子さんとマツコ・デラックスさんが登場し「ヨロシコ」と、挨拶をしている。
異色と言えば異色な「学生割」のテレビCMで、セーラー服を着ているマツコ・デラックスさんの登場は、目を引く存在だ。

これら「学生割」のテレビCMを見ながら思ったことは、「子どもの携帯電話代は、やはり親が支払うものなのか?」と言う点だ。
もちろん、学生なのだから収入があるわけでは無いので、親が払うと言うのは当然と言えば当然なのだが、「基本料金が安い=親孝行」と言う訳では無いだろう。
むしろ親としては、通信費が安いほうが「親孝行」と考えているのでは?
「家族通話がタダ」と言うよりも、パケット代が安くなる方が「親孝行」と言う気がするのだが・・・子どもの携帯電話代を支払う親側としてはどうなのだろう?

もう一つ思ったことが、「シニア割」と言うモノだ。
「学生割」と言うのは、毎年ユーザーが変わるコトで携帯電話会社の乗り換えが期待できるだけではなく、その家族ごと乗り換えさせると言う期待もできる。
だからこそ、毎年この時期に「学生割」を積極的に展開し、ユーザー獲得に力を入れるのだろう。
その携帯会社側の事情も良く分るのだが、何となく「学生以外の市場」をあまり考えていないのかな?と言う気がしてくるのだ。

おそらく、携帯電話各社は「シニア層を含んだ割引プラン」を持っているとは思う。
それだけではなく「学生割」よりも、市場そのものは大きいような気がする。
逆に市場が大きすぎて、企業としてはリスクなのかもしれない。
だが、元気な独居老親を持つ子どもとしては、「シニア割」と言うほうが気になってしまう。

「シニア層」が、どんな携帯電話の使い方をしているのか?と言うコトを考えると、学生よりもパケット代は少ないだろうし、携帯電話そのものを使う頻度が少なく、あまり魅力的では無い市場かも知れない。
だから現在の「家族割」で十分、と言う考え方もあるだろう。

一方、今年は「日本のスマートフォン元年」になりそうな勢いがある。
とすれば、「シニア層」に対して「スマートフォン」の良さをPRできるチャンスなのでは?
「シニア層」では、携帯ゲームなどの利用は期待できなくても、本や雑誌、新聞などの購読は期待できる。
特にタブレット型のスマートフォンなら、大きな文字で本や雑誌を読むことが可能になる。
書店に出かけることが難しい人たちにとっては、魅力的なツールとなるはずだ。
それだけではなく、「テレビ電話」としての機能の利用の期待もできるのでは?

「シンプル携帯」と言うと単機能携帯と思いがちだが、操作性のわかりやすい携帯が「シンプル携帯」なのでは?
これまでの視点を変えた、携帯電話のあり方をもっと積極的に提案するコトで、「シニア市場」を掘り起こすことができるのでは?
その一つとして、「シニア割」と言うプランがあっても良いような気がするのだ。