日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

節電の夏に思う、日本の住宅事情

2011-07-02 21:33:55 | 徒然
いよいよ本格的な「節電の夏」が、昨日から始まった。
東京電力と東北電力管内は15%の節電となっている。
工場を含む企業などは強制的な節電、一般家庭は努力目標となっているようだ。

そんな「節電の夏」を迎え、考えるコトがある。
それは「日本の住宅」についてだ。
街中を歩いて目に付くのは、高層のマンションだ。
ここ数年は、周囲を庭で囲んだ低層型マンションも増えているようだが、道沿いにあるのは高層マンションが多い。
そんなマンションを見ながら、いろいろなことを考えるのだ。

一番単純なトコロでは「高層階のお宅は、布団干しはどうするのだろう?」とか、「洗濯物は外には干せないな・・・」というトコロだろうか?
「そんな心配は、ご無用」という設備がキチンと設置されているのだと思うのだが、主婦的な発想では、そんなコトが気になってしまう。

もう一つ気になるのは「夏場、暑い時(高層階は)窓は開けるのだろうか?」というコトだ。
高層階になればなるだけ、風も強いだろうし大気中に浮遊している様々な物質を取り込みやすいのでは?まして今問題になっている大気中の放射能汚染の心配は無いのだろうか?
他にも、今年流行のグリーンカーテンを作るといっても大変だろうな・・・と、お節介ながらいろいろ考えてしまうのだ。
何より、バブル期以降建てられたマンションの多くは、「自然の風やあかり、暖かさを取り込む」よりも「気密性重視」で建てられていた。
今回のような「節電の夏」というのは、「想定外」の造りになっているはずだ。
確かに眺望は良いと思うが、眺望と引き換えに様々な緊急時の生活リスクが高いのが「高層マンション」なのでは?という気がしている。

戦後から現在に至るまでの日本の集合住宅というのは、「本当に人が快適に暮らす」というコトを重視してきたのだろうか?と、疑問に感じることが多い。
「自然の風やあかり、暖かさを取り込む」というよりも、そのような「自然との付き合いを拒絶するコトが、都会的モダン」と、勘違いをしていたのではないだろうか?

しかし、次々と建てられたバブル期の高層マンションは、そう簡単に建替えるわけには行かない。
現実問題として、マンションとしては充分生活できる建物だし、緊急時の生活リスク以外は何の不便もないからだ。
今年の「節電の夏」は、そんな日本の住宅の在り方を再考させるのでは?と、思っている。