日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地デジ化と生活者意識

2011-07-24 21:23:43 | アラカルト
今日の正午を持って、テレビの「アナログ放送」が終了した。
ネット上で見られる新聞社やテレビ局のニュースを見ると、正午にあわせて一斉に画面が変わり、地デジ放送についての案内電話番号などがテレビ各局表示したようだ。

そして、Yahooのトピックスを始め新聞各社のWEBニュースなどを見ると、今日1日で7千500人程度の問い合わせがあったようだ。
この問い合わせ数字を多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれだと思う。
ただ個人的には、1日の問い合わせとしては多いような気がする。
それだけではなく、今年3月で終了した「エコポイント」の関係もあり、既に90%以上の家庭が地デジ化されていたはずなのに、ここに来て駆け込み需要が相当あったようだ。
事実、先週何日間か近所の量販店に出かけた時、日に日に地デジ対応の薄型テレビが完売していっていた。
薄型テレビを見ていたお客さんの中には「2台目」という方も少なくは無いだろうが、案外本当の駆け込み客も多かったのではないだろうか?
というのも昨日~今日にかけて「地デジチューナー」が、量販店で完売状態となっているからだ。

そんなニュースを聞きながら、思ったことがある。
それは「地デジのお知らせ」って、随分前から始まっていたのでは?というコトだ。
おそらく、「地デジ化告知CM」そのものは、4、5年前から始まっていたのではないだろうか?
それもほぼ毎日テレビをつければ、そのCMを見ていたような気がするのだ。
ところが「エコポイント」効果で、一気に「地デジ対応テレビ」が普及したはずなのだが、実はまだまだ「地デジ化」していない家庭があった、というコトなのでは?

とすれば、長期間にわたる「地デジ化告知CM」の効果、よりも「エコポイント」の方が効果的で、尚且つそれでも「地デジテレビを購入せず、今日に至った」という人が、多かったということだ。
何故「頻繁に流したテレビCM」よりも、「エコポイント」の方が効果的だったのだろう?
一つは「CMの流し聞き」があったのではないだろうか?
数多くの商品・サービスの「テレビCM」と同様に、聞き・見逃されてきたということだ。

もう一つは「いつかの話」で終っていた、という点だ。
「自分に関係ない」という訳では無いが、「テレビそのものに対する親しみ度」が30年ほど前から大きく減り、テレビ以外の映像を楽しむ方法が増えたため、「地デジ化」が現実的な問題として、多くの人が認識さしないまま今日という日を迎えたというコトのような気がするのだ。
逆に言えば、それだけ「テレビ」が「映像文化の主役」ではなくなってきた、というコトかもしれない。

さてさて、今日から「地デジ放送」が本格的にスタートした。
問題なのは「これからのテレビ番組」かもしれない。
テレビCMを含め「これからのテレビ」を考えなくては、他の「映像メディア」に生活者の興味は持っていかれてしまうのでは?
そんな危機感と意識をもった、テレビマンたちがどれだけいるのか?気になるトコロだ。