日々是マーケティング

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WWFと原発

2011-07-27 21:20:15 | CMウォッチ
しばらく前から、時折ポルターサイトなどに登場する広告が気になっていた。
それはWWFの「原子力発電所、段階的廃止署名お願い」の広告だ。

ご存知の方も多いと思う、世界的動物保護団体・WWFだが、これまでは「野生動物の保護」などが活動の中心だった。
その象徴として、パンダが使われているというコトも有名な話だと思う。
それが、今回は「原発の段階的廃止」という、やや違う方向性の広告を打ってきている。
それも、ネットでの署名活動だ。

「ネット署名」というと、思い出すのは楽天が中心となった「医薬品の通信販売継続署名活動」だ。
確かに、今までのような街頭での署名活動というのは、人手も時間もかかる。
それに比べると、ネット署名というのは人手もあまりかからず、活動時間の制約もない。
インターネットのメリットが高い、方法だとも言える。
そのことを考えれば、ネット署名というコトはわかるのだが、違和感を感じるのは「何故、原発の段階的廃止」なのか?という点だ。

確かに、今回の「福島第一原子力発電所事故」によって、人の生活だけではなく自然界への影響も甚大なモノがあると思う。
だからと言って、何故WWFが「原発廃止」の署名活動をするのか?という点で、疑問というか不思議さを感じてしまうのだ。

「原発」が問題というのではなく、「化石燃料主体のエネルギー政策と温暖化」が問題だとすると理解できるし、本当の主旨はソコにあるように感じている。
その象徴的なコトとして「原発廃止」というコトだとしても、これまでのWWFの活動からすると、相当挑戦的というか、ややかけ離れた感じを受ける。
というのも、これまでWWFの活動の中では余りというか殆ど、エネルギー問題を扱っていなかった。
これまでの活動の中心は、熱帯雨林などの自然保護や砂漠化などに充填が置かれていたような気がしている。
そのために、いくら「温暖化問題」を「エネルギー政策」として取り上げることに、唐突感があるのだ。

もちろん、「フクシマ」の事故は一刻も早く収束させる必要があるし、そのためには様々な考えや意見、政党を超え全力をあげるべき点だと思う。
だが、WWFのネット署名の広告は、これまでの活動や広告などからすると、随分と印象が違いすぎる。
だからこそ、「この広告を出す(ネット署名を募集する)背景には、何があるのだろう?」と、考えてしまうのだ。