日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

技術の問題?運用の問題?

2011-07-26 20:47:33 | ビジネス
日曜日に起きた「中国高速鉄道脱線事故」。
イロイロな意味で、驚くことが多い事故だったような気がしている。

その一つが、事故を起こした高速鉄道が様々な国の技術を集めたモノであったということ。
この点だけでは驚くほどのことは無いのだが、「張り合わせ技術=オリジナル技術」と考えていた節があるという点で、驚くのだ。
それも高速鉄道先進国である、日本の技術+欧州の技術の「良いトコ取り」だったはずが、統一性の無い「チグハグ技術」で終ったいたにも関わらず「世界一」と国内外に発表していた。
かの国のやりそうなことではあるのだが、その「技術」を本当に自国のモノとして使うには程と遠い状態であったというコトだ。

確かにかの国は「面子を重んじる国」だし、「日本や欧州に追いつき・追い越せ」という意気込みでやってきたこともわかるのだが、何となく「面子」というか国内外に対する「顔」ばかりを重視したために、中身が追いついていなかったのではないだろうか?
そしてかの国の鉄道関係者も、中身が追いついていないと薄々感じていたのでは?と、思うのだ。
それが実際の行動となって現れたのが、事故直後の対応だ。

おそらく日本や欧米だけではなく、それなりの国であれば、事故発生直後に、事故車両を埋めるというようなことはしないと思うのだ。
もちろん、営業再開に向けての事故処理はすると思うが、それは「事故調査」と平行して行われるはずだ。
ところが、かの国では事故発生直後に、事故車両を埋めてしまっている。
まるで「事故隠し」のような感じがする。

そのような行動を見ると、もしかしたら関係者自体は事故の規模云々ではなく、何らかの事故が起きるのでは?と、予測していたような気がしてくるのだ。
だがそれも「体面・面子重視」という発想のもとでは、事故は隠すしかなかったという印象を受ける。

となれば「技術的問題」というよりも、「運用上の問題」という意味を含んでくる。
そして「運用上の問題」となれば、尚のこと「隠す必要」があるのでは?
なぜなら、運用上の問題こそがかの国の高速鉄道システムが充分では無い、というコトを示してしまうからだ。
いくら技術が高くても、それを運用するコトが出来なくては、その技術はまったくと言ってよいほど役には立たない。

ただ、「福島第一原子力発電所事故」が起きてしまった今、決してかの国だけの問題では無いような気がする。