日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

AUの戦略

2012-01-17 20:36:59 | ビジネス
昨日AUが、春モデルの発表と新しい料金をした。
その中で目を引くのが、やはり新しい料金だろう。
あくまでもスマートフォン+固定電話を対象とした、料金改定のようだが月額1,500円の値下げというのは、利用者にとって大きな魅力だと思う。

これだけの値下げができた理由などについては、新聞などの各報道に詳しくあるので拙ブログでの下手な説明は必要ないと思う。
しかし、報道内容を読む限りではAUの親会社(?)であるKDDIがNTTとは別に光通信網を持っていることが今回の大幅値下げを可能にしたということのようだ。
確かに、KDDIは電力会社系の光通信網を利用している。
そのため、NTTが受けている規制は無いという理由も分かる。
であれば、何故もっと早くこのような料金設定ができなかったのだろうか?と、単純に疑問に思ってしまうのだ。

そして、スマートフォンを対象としている、という点もチョッと引っかかる。
その理由は、おそらく多くの方が感じていらっしゃるとおり、iPhoneと関係があるのでは?というコト。
AUがiPhoneを取り扱うにあたり、相当高いハードルを交わしたのではないだろうか?というコトだ。
もちろん、iPhoneだけがスマートフォンではないので、今回の値下げで恩恵を受けるのは、AUのiPhoneユーザーだけではない。
しかし、やはり今回の値下げの背景には、iPhoneの厳しい販売台数をクリアするため、という気がしてしまう。

もう一つ発表会で感じたのは、スマートフォンユーザー像をAUがどのように見ているのか?というコトだ。
新しいキャラクターとして起用されたのが、井川遥さんと伊勢谷友介さん、剛力彩芽さんの3人。
これまでの「嵐」から、随分とイメージが変わった気がする。
ロゴなども変更していることから、一新するイメージが必要だったということもわかるのだが、どうしてこの3人なのか?という気がするのだ。
特に、井川遥さんの起用にやや違和感を感じてしまうのだ。

確かに、スマートフォン利用者は男女比で比べるなら女性のほうが多いといわれており、その中心ユーザーは30代だといわれている。
丁度井川さんと世代的には重なるのだが、井川さんのイメージがスマートフォンユーザー像と重なるのだろうか?という点で、違和感を感じるのだ。
個人的には、井川さんのような癒し系ではないのでは?と、思っている。
実際のスマートフォンユーザーの多くはごくごく普通のOLさんだと思うし、実際地下鉄などで見かけるスマートフォンユーザーは、ごくごく普通のOLさんばかりだ。
であれば、普通のOLさんから共感を呼びそうな女優さんを起用したほうが、よかったのでは?
それとも、AUは主婦層を意識したということだろうか?
それも、プチセレブ志向のある層を。

いずれにしても、しばらくは春モデルの携帯電話の発表会が続くはずだ。
docomoはおそらく、新しい通信システムxiを搭載したスマートフォンやタブレットに力を入れてくるだろう。
ソフトバンクにしても、新しい回線を獲得するためのアクションを積極的にとってくるだろう。
その時、各社がどんな世代に対してどんなコトを考えているのか?
それが分かるのが、イメージキャラクターという存在だと思う。