日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

口コミビジネスとネット

2012-01-22 19:35:00 | ビジネス
しばらく前に「食べログ」についてのヤラセが、問題になっていた。
今度は、「@コスメ」でも同様の問題が発覚した。

拙ブログにこられる男性諸氏には「@コスメ」といわれても、「何?」という感じだと思う。
市中に出回っている、様々な化粧品の専用口コミサイトだ。
「食べログ」と大きく違うのは、写真掲載が無いためレビューをした人が本当に使ったのか、分からない点がある。
それでも、ある一定数のレビューがある商品となれば、その商品についてのある程度の信頼はあるのでは?と、言う感じがあるのも事実だろう。

このような「口コミ」専用サイトでなくても、様々なネット通販のサイトには「レビュー」が掲載されている。
そしてそれらのレビューが、新しい顧客の獲得に結びつく場合もあるが、時には非難の的となる場合もある。
むしろ好意的なレビューばかりが掲載されている、というのはどこかおかしな仕掛けがしてある、と考えるほうが自然のような気がするし、実際私が利用する時には好意的なレビューと好意的ではないレビューの両方を確認するようにしている。
おそらく、多くのユーザーはそのような見方をしているのではないだろうか?

一方、マーケティングという視点で見るとこのような「口コミ」は「バズ」と呼ばれている。
最近では「バズ」ではなく、「バイラルマーケティング」という呼び方もされるようになってきた。
「バイラルマーケティング」というのは、意図的に口コミで情報を流すという手法。
確かに、使っている人のコトバというのは現実味があり、信頼度も高い。
反面、「意図的に口コミという方法で情報を流す」ために、今回の@コスメのようなことが、簡単に起きてしまう。
もちろん、これまでのような雑誌など活字媒体が主体だった頃には考えられない、販促手法でネットで様々な情報が検索できることや、ここ数年で一般的になってきた「SNS」がより「バイラルマーケティング」を簡単にしている、という側面がある。

おそらく問題なのは、このような情報・伝達の変化に表面上は対応しているが、本質となる「マーケティングとは」というコトを理解していない、というコトなのだと思う。
それが今回の@コスメでの口コミ依頼をした企業の担当者コメントによく現れている、と感じている。

インターネットの普及とともに、様々な情報発信ツールが利用できるようになってきた。
時として、普通の生活者が情報発信者となるコトを可能にもさせている。
そのような指摘は再三されてきたコトだが、そのリスクという点を深く考えられてこなかったのではないだろうか?

ただ今回の@コスメの場合、多くの女性は昨年来から問題になっている悠香「茶のしずく」石鹸による、アレルギーの問題によって「口コミよりも成分内容」へと意識が変わりつつあるのではないだろうか?
いくら使用感がよくても、アレルギーの発症によって重篤な状態にはなりたくないのだから。