日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

集団の中で人の行動は変化する?

2013-12-10 20:28:24 | マーケティング

先日FMを聞いていたら、面白い調査をしていた。
テーマは「草食系男子について」。
ご存じの通り、最近の若い男性の中には「草食系」と呼ばれるタイプの男性がいる。
その「どうして草食系になったのか?」ということを大学生達に考え、答えてもらうというアンケート調査だった。

結果だが「元々草食系思考」という回答が多いのは当然の様な気がするが、一人だけ以下の様な回答をしていた女子学生がいた。
彼女の回答とは・・・。
「周囲の男子学生を見ていると、大学に入学した頃は草食系だったのに、肉食系男子が多いサークルに入った草食系男子は、いつのまにか肉食系になっている様な気がする。そう考えると、草食系であっても周囲の環境で変化するのでは?」
と言う内容だった。

この回答を聞いたとき、よく観察をしているな~と感心しただけではなく、なかなか鋭い所を点いている、と思ったのだ。
実際、番組内ではこの調査を担当した大学の先生が「草食系男子、と呼ばれる男性は昔からある一定数で存在していた。ところが社会的規範のようなもの(例えば、「一人前の男とは・・・」と言う様なもの)や世間の目というものが「草食系男子」でいるコトを、許さない(?)時代のほうが長かった。
また、バブル崩壊後盛んに言われる様になった「自己責任」という言葉により、何かに付け「責任を回避する行動」を若者が取るようになった、その延長線の一つに「草食系男子」が登場したのではないだろうか?と考察されていた。

そしてこの女子学生の「肉食系男子の中にいた、草食系男子の肉食系化?!」というのも、確かだろう」と言うお話だった。
それは「サークルという一つの集団の中で、行動を共にするコトによって多数派である肉食系に草食系が影響され、行動に反映される、という現象そのものは数多く見られる」と言う説明だった。
元々「草食系でもなければ肉食系でもなかった」男子が、様々な条件や環境によって草食系にも肉食系にでも変わる、と言うことがある、と言うお話だった。

考えてみれば、私達の生活の中ではこの様な「集団の影響によって行動や思考が変わる」ということはよく起きる。
新入社員時代、職場へなれるにつれその会社の社員らしくなっていく、と言うことは当たり前のように思えるが、実は「会社という集団に影響され、個人の行動や思考に影響を及ぼしている」と言うことだろう。

ビジネスの場面で言うなら、少数派の意見を述べていてもいつの間にか多数派よりの考えを自然に受け入れる様になってしまう、と言うことかも知れない。
それだけではなく「流行(最近では「トレンド」と呼ばれることが多いが)」も、雑誌等のメディアで盛んに取り上げられることで、実際流行している云々ではなく「流行っている」という錯覚を起こして、一つのブームが作られる、と言うこともある。
それが良い・悪いではなく、自分の興味・感心が高いグループ内では、意識をしなくても同じようなファッションや生活思考が生まれる、と言うのはその様な心理的な影響がある、と言うことだ。

その様な視点で「今」を観てみると、これまでとは違ったモノが感じられると思う。