日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「スペシャリティ・プレミアム」と東京という街

2013-12-22 19:14:36 | CMウォッチ

ここ数日、連日のように地下鉄で出かけている。
会社員時代、地下鉄で通勤している時の楽しみ(?)の一つが、ぶら下がり広告を見ることだった。
ぶら下がり広告の多くは、雑誌の広告なのだが時折、目を引く素晴らしい広告を見ることがある。
先日、そんな広告を見た。
その広告とは、キリンのコンビニ向けビール「グランドキリン」
キリン:「グランドキリン」(ADギャラリー)

私が見たのは、ライトアップされた新東京駅のバージョン。
ライトアップされた東京駅は、とてもクラシカルで喧噪に満ちあふれた東京を一瞬忘れさせてしまう。
しかしよく見ると、新幹線が停まっていたり新幹線の奥には高層ビルの灯りが見える。
その対比こそ、今の東京の姿という印象がある。
新旧の顔が共存している都市=東京という印象だ。

この東京駅のバージョン以外「東京タワー」や「新宿副都心」等の夜景があり、どのバージョンを見ても、今の東京を感じさせる。
「今の東京」と言うなら、「東京タワー」ではなく「スカイツリーだろう」と言われる方もいらっしゃると思うのだが、「東京タワー」が創ってきた東京という都市の歴史が、「スカイツリー」にはない奥行き感を与えている様な気がする。

この広告を見て「なぜコンビニ専用」なのだろう?と、考えてしまった。
そう感じさせるのは、缶ビールでは無く瓶ビールだからだ。
いくら軽量ビンと言っても、ガラス製の容器というのは手軽さと言う点では、缶ビールに負ける。
いくら美味しく飲むための工夫と言っても、「手軽さ」という点で共通するコンビニ向けとは思えない。
それをあえて「コンビニ向け」としているのは、おそらく、深夜まで営業しているスーパーが増えたと言っても、仕事帰りにコンビニに寄りビールとおつまみを買い、自宅でのんびりと過ごす人が多いからだろう。そんな人達に「ちょっと贅沢なビールを楽しみませんか」ということなのだと思う。
もしかしたら、来年あたりコンビニ専用「ギフトパッケージ」という商品も登場するかも知れない。
それほど、自分が飲みたい!と思うだけではなく、贈りたいと言う気持ちにもさせるパッケージングだと思うし、コンビニという小売店の位置づけが変わりつつあるのかも知れないと感じさせる。

それにしても、東京という街のまばゆさは凄まじいものがある。
ニューヨークのマンハッタンやフランスのパリ、英国のロンドンの夜景よりもまばゆい光の洪水なのでは?と、思ってしまう。
ポスターとしてみると、とても美しさを感じさせるのだが、それだけエネルギーを消費している街でもあるのだな~と・・・。