日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「夢」が行動の原動力?

2013-12-29 19:59:43 | ビジネス

先日FMを聞いていたら、海底探査船「江戸っ子1号」についてのレポートがあった。
江戸っ子1号プロジェクト公式WEBサイト

「江戸っ子1号」というのは、東京の町工場が集まってつくった「海底探査船」の名称。
海底8000mまで潜り、鮮明な海底の様子を3Dカメラで撮影、成功している。
ここまでのお話なら、「日本の町工場の技術は、凄い!」と言うところで終わってしまう。
しかし、「凄い」のはこのプロジェクトの成果では無く、このプロジェクトを推し勧めた力だと思う。
実際、このプロジェクトを立ち上げた時、参加を表明した町工場は沢山あったそうだ。
皆さん「町工場の実力を見せてやる!」と、勢い込んでいたそうだ。
ところがこの「海底探査船」を造るのに、億と言うお金が必要だとわかったとたん辞退する町工場が続出。
リーマンショックなどもあり資金繰りが大変な中、結局残ったのは僅か2社。
それでも「夢」を実現させたい、と言う思いが原動力となって海洋開発研究機構や芝浦工大、ソニーの映像技術有志などが結集して、世界でも貴重な海底8000mの3D映像撮影に成功した、と言う。

この話を聞いた時思い浮かんだのは、東大阪の町工場が集まって造った「まいど1号」だった。
宇宙開発協働組合:SOHLA公式WEBサイト
この「まいど1号」も、資金繰りの厳しさから一度ならず、何度か挫折しかけたと言う記憶がある。
それでも「いつかは宇宙船を飛ばす!」という夢を持ち続け、それを支援する人達の輪が出来、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受ける程になった。
今は「月でロボットを動かせる」ことを目標として、いらっしゃるようだ。

先日、中国が打ち上げた宇宙船が月の到達し、将来的には月にある(鉱物)資源などを活用したい、と言う思惑がある様だが、中国の宇宙船打ち上げ成功よりも、東大阪の町工場が中心に集まった宇宙プロジェクトのほうが、夢がある様な気がするのは身贔屓だろうか?

東西の町工場から始まった宇宙と海底のプロジェクト。
その始まりは「夢を叶えたい」という思いからだった。
「夢を叶える」と言うことは、とても大変なことだ。
だが、それを応援し、支援してくれる人達も沢山いる。
まだまだ、日本のものづくりも捨てたものではない、と思う。
来年、またこの様な話題が一つでも二つでもあれば良いと思う。
きな臭い政治の話題よりも、ズッと社会が明るくなるだけでは無く、じんわりと経済にもプラスの影響をあたえることができるのでは?
何よりも、この様な「ものづくり」こそ、日本らしいと思うのだ。