日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ライバルから、学ぶ

2013-12-15 20:15:40 | ビジネス

朝日新聞には「GLOBE」という、日曜版がある。
その「GLOBE」に、「Views」というページがあり、今回は「ニューヨークタイムズマガジンから」で、今日のみだしを見て「え?!何々」と興味を引いたのだった。

そのタイトルとは「ブロッコリーの逆襲」。
英語のタイトルは「Broccoli's Extreme Makeover 」。
「ブロッコリー」というのはあくまでも象徴的な存在として扱われているだけで、実は「野菜をもっと食べよう」という、米国でのキャンペーンのお話。

その背景にあるのは、成人病だけではなく様々な病気の要因となる「肥満」が、社会的問題になりつつある、と言うことがあるようだ。
「ダイエット大国」のイメージがある米国だが、実は「ダイエット」に励むことができる層というのは、経済的にゆとりがある層。
経済的に厳しい層になればなるほど、肥満の原因となるジャンクフードが主食となっている、と言うことは様々なレポートが報告している通りだと思う。
健康という面でも、野菜を食べてもらうということは、政策としても意味のあることなのだ。

そして、米国の「農産物マーケティング協会」(米国では、この様な農産物専門のマーケティング協会があるとは知らなかった)の依頼でキャンペーンをするコトになったのが、それまで加工食品やコカ・コーラなどを手がけてきた広告会社。
ジャンクフードのキャンペーンの手の内を、十二分に知っている会社に、キャンペーンを依頼したのだ。
その理由は、四六時中、テレビから流れるジャンクフードのCMには芸能人や漫画のキャラクターが登場し、「さあ、食べよう!」と、言っている。その膨大なCM量に対抗するために「健康のために、野菜(や果物)を食べよう」と言ったトコロで、勝ち目はない。
生活者が自然に「美味しそうだから野菜(や果物)を食べよう」、と言う気持ちを起こさせるには、その様な戦略に長けている=ジャンクフードなどのキャンペーンを手がけてきた広告会社に依頼するのが、ベストだと考えたようだ。

普通「ライバル企業から学ぶ」と言った時、同じ業種のライバル企業ということになると思う。
ただ同業から学ぶことができるのは、それほど多く無いのかも知れない。
ジャンクフードと野菜というと、一見ライバルではないように思えるが、「食」という視点で見れば、十分「ライバル」となるのだと思う。
そう考えると、実は「ライバル企業」というのは、同業他社ではなく以外な事業分野なのかも知れない。
「何を創っている」と考えるだけではなく、「生活者にとってどうなのか」という視点で考えて見ると、意外なところに様々なヒントがある、と言うことだと思う。