日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

顧客を失うきっかけ

2015-03-14 21:33:20 | ビジネス

我が家の近所にあった、マクドナルドが閉店をした。
「1月ごろ、前を通った時には営業をしていたという記憶があるので、先月末~今月初めに閉店をしたようだ。
閉店しただけかと思いきや、すでに店舗を壊し更地になっているらしい。
この話を聞いたとき、やや驚いた。
というのも、このマクドナルドの店舗は、とても流行っていて客の回転率も良かったからだ。
近くには高校があり、学校帰りの高校生たちが寄っていたり、昼間は「お誕生日会」のお子さん連れのママたちグループが複数あった。
とすると、閉店をすることになったのは、一連の不祥事が原因だろう。

そして一連の不祥事だけが原因なのか?というと、不祥事よりも経営トップの態度のほうが、影響力が強かったのでは?と感じている。
というのも、知人女性が「テレビでマクドナルドのカサノバCEOの記者会見をテレビで見ていたけど、腹が立った。起きてしまった事故に対しては、誠心誠意謝罪をすべきなのに、そのような態度が全く見られない。もうマックに行くのをやめる!」と話していたことがあったからだ。
言い換えれば、知人の「マックへ行かない理由」は不祥事ではなく、不祥事発覚後の経営陣の態度なのだ。
もちろん、知人はその前に日本人経営人が記者会見をし、謝罪をしていることは知っている。
腹を立てているのは、カサノバCEOに対してということになる。

もう一つ最近身近なところでも、「あ~~~企業は顧客を失うのは、些細なことなのだな」ということがあった。
それは父が心筋梗塞で緊急入院をしたとき、付き添っていた兄と話をしていた時だった。
兄は自動車免許を取得して以来、30年近く某メーカーのクルマに乗り続けてきていた。
もちろん、その間に車種などは変わってはいるが、決まったディーラーさんからクルマを購入し続けていたようだ。
ところが、最近クルマを買い替えた、という。
今度も同じメーカーのクルマなのか?と聞くと、意外な車種に買い替えたことを知り、ビックリしたのだった。
なぜ買い替えたのか?と聞くと、「懇意にしていたディーラーの店長さんが変わり、新しい店長さんはとにかくサービスが悪い。悪いというよりも、顧客である自分に必要な情報を提供しないことが度々あり、買い替え時期に来ていたのでメーカーそのものを変えた」というのだ。

クルマを運転される方の多くは、一つのメーカーに決めているというほどではないにせよ、同じメーカーのクルマを乗り続けている、という方のほうが多いのではないだろうか?
かつてトヨタのCMに「いつかはクラウン」というキャッチコピーが使われていたが、このコピーのようにトヨタ車に乗っているユーザーは、トヨタ車に乗り続ける、という傾向がある。
逆に他社に乗り換える、というのは微妙に操作性の違いに戸惑うということがあるので、なかなかメーカーを変えるということはしない、という話をよく聞く。
ところが、その操作性などの親しみ感よりも、ディーラーの態度一つで、メーカーごと変わってしまうような感覚をユーザーは持っている、ということのようだ。

マクドナルドにしても、兄のディーラーにしても、メーカー側からすれば「些細なコト」かもしれない。
しかしその「些細なコト」が、裏切られたというか、評価に値しないという気持ちになるのが生活者である、ということだと思う。