日々是マーケティング

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クラフトビールが、トレンドになるか?

2015-03-30 22:21:10 | トレンド

ずいぶん暖かくなり、近所の公園の桜が一気に満開となった。
今週末あたりが、お花見のピークかも知れない。

お花見シーズンとなれば、ビールのおいしい季節でもある。
3月下旬から、Yahooの広告スペースにキリンのクラフトビールが表示されるようになった。
キリン:Spring Valley Brewery 
回数が多いので、てっきり全国発売なのか?と思ったら、そうではないらしい。
Breweryというくらいなので、醸造所のあるところに隣接するような形態のお店で楽しめるようだ。
オンラインショップもあるようだが、予約販売ということになっている。

このキリンの「クラフトビール」の動きは、決してキリンだけのコトではないようで、昨日の朝日新聞のWEBサイトにも紹介されていたりしている。
朝日新聞:個性豊かな味に成長期待 クラフトビール、大手次々参入
 クラフトビールそのものが、少量生産が基本なので一般流通に乗せるコトそのものが難しいため、予約販売というコトになってしまうのだと思うのだが、まだまだ日本では馴染みがないビールなので、その味を知ってもらう、というコトがまず大切だろう。
その上で、クラフトビールファンを作っていくというコトになるのではないだろうか?
そう考えると、クラフトビールそのものの市場ができるまでには、ビール会社もそれなりの覚悟というか時間を考えなくてはならないかもしれない。

ところで、このクラフトビールの一角?ともいえるベルギービールを、日本酒の小西酒造が手がけている。
しかも、ヨーロッパの品評会で金賞を受賞している。
小西酒造:ブロンシュ・デ・ナミュール 受賞
ブランドサイトを見るとわかるのだが、小西酒造が国内に醸造所を持って作っているわけではなく、ベルギーにある醸造所と契約をしオリジナルのビールを造っているようだ。
日本酒とベルギービールという組み合わせは異質な気がするが、朝ドラの「マッサン」のように、「お酒を造る」という点では共通するものがあるのだろう。
それだけではなく、今回の大手が参入するコトを決めた背景には、ここ数年各地で行われている「ベルギービールを飲む」というイベントの効果なのかもしれない。

実は夏になると、名古屋でも開かれる「ベルギービールのイベント」のお誘いが来るコトがある。
残念ながら、あまりお酒を積極的に飲みたい!という気持ちが起きないため、お誘いは丁重にお断りさせていただくのだが、イベントに参加した(単にビールを飲みに出かけただけなのだが)友人たちは「ベルギービールのファンになった!」と、連絡してくることが多い。
それだけ、個性のあるビールが好まれるような時代になったのかな?という気がしていたのだった。

おそらくそのようなビール市場の変化に対応するために、大手が参入するのだと思う。
それだけではなく、ビール、発泡酒、第3のビールとさまざまな工夫を凝らし、市場の拡大を目指してきたビール業界だが、そのビールそのものの消費に変化が起きているのではないだろうか?
新成人の減少=お酒を飲む人の減少と考えれば、今までとは違うアプローチを考える必要がある。
ラガービールのような苦さを売りにするのではなく、クラフトビールのように果物をブレンドしたりした口当たりの良いビールを提供するコトで、これまで「ビールは苦手」という人にも飲んでもらう機会となることを期待しているのかもしれない。

いずれにしても、この「クラフトビール」の人気が一時のブームで終わるのか、それとも「クラフトビール」という市場を作り出していくのか?というのは、ビールだけではなくその場や食事にも気を使い、演出する必要があると思う。