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Googleが目指す先は、何?

2015-03-29 21:21:29 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトをみていたら、J&JとGoogleが協力をして、医療分野に進出する、という内容の記事があった。
日経新聞: 米J&J、グーグルとタッグ 手術支援ロボ開発

ジョンソン&ジョンソンと言えば、真っ先に思い浮かべるのは「バンドエイド」か、頭痛薬の「タイレノール」くらいではないだろうか?
実は以前、偶然にもJ&Jの関連会社の中に、医療用検査機器を製造・販売をしている企業をあることを知った。
その企業こそ、今回Googleとタッグを組むことになった「エチコン社」だった。
私が知ることになったのは、「マンモトーム」と呼ばれる乳がんの「(細胞)組織診」のための機器だったのだが、J&Jがこのような医療機器の会社を傘下にしている、ということに驚いた。
確かに、「タイレノール」などをはじめとする医薬品の製造・販売をしているのだから、他の医療分野に参入していてもおかしくはないのだが、私の中では「絆創膏」と「CTやマンモトーム」のような、医療機器と結びつかなかったのだ。
その視点で考えれば、J&Jが手術支援ロボの開発、ということはなんとなく理解できる。

これから先外科の現場では、今までよりもより高度な技術を必要とする手術が、行われる可能性は高い。 
がんや脳卒中、心筋梗塞のような疾病だけではなく、事故などによる外科手術も含め、患者の命だけではなく患者の「生活の質=その人らしい生活や暮らしぶり」をするために、医療に求められる内容と質は年々高くなってきている。
その視点で考えれば、これまで人の手ではできなかったロボットによる手術というのは、将来性があるだろう。
パートナーとなるJ&Jは、その分野でも実績のある企業だ。
ただ、Googleの持っている資産とどれだけ合致するのか?というコトが、見えてこない。

記事中には、「医療関連技術に積極的に投資している」と書かれてはいるが、Googleのイメージは「Google MAP」や最近話題になりつつある「Google Car」と呼ばれる、自動運転システムのクルマだろう。
Google Carの開発で他の自動車メーカーよりも強みとなるのは、Google MAPと呼ばれる地図とGPSを組み合わせることだろう。
それに対して、手術用のロボットとなると、話は違う。
おそらく今現在、手術の現場で注目されている「手術ロボット・ダビンチ」のような、手術用ロボットのようなものだとは思う。
確かに「ダビンチ」を操作することによって、これまで手術が難しかった部位の手術が可能になったりしている。
単にそれだけ(「それだけ」でも、ものすごい医療の進歩なのだが)が目的であれば、現在のJ&Jの関連会社「エチコン社」独自で開発ができると思うし、開発ができなくても同じ医療機器メーカーとM&Aをしたほうが、はるかにリスクは少ないと思う。

上述した通り、ますます高度な医療技術は予防・検診・治療という部分で求められていくと思う。
そこに、どのようなカタチでGoogleが加わるのだろうか?
単に「投資」という部分だけであれば、Googleの持っている「見えざる資産」との関連がなく、Googleらしさが感じられない。
これから先、いったいGoogleは何をしていきたいのだろう?
そんな疑問を感じるのだ。