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素朴な疑問。なぜ、東日本大震災の追悼式は東京だったのだろう

2015-03-12 22:00:38 | 徒然

昨日、「東日本大震災」の追悼式が、東京の新国立劇場で行われた。
天皇皇后両陛下も出席をされる、厳かな式典だったようだ。
式典そのものに、文句を言うつもりはないのだが、一つ疑問がある。
それは「なぜ、追悼式が東京で行われたのか?」という点だ。

たとえば、広島・長崎の「原爆慰霊式典」や、「阪神淡路大震災」の追悼式典は、東京ではなく被災地で行われていると記憶している。
東京から阪神淡路大震災の中心被災地である、神戸までの距離は遠いが東北は近い、という判断なのだろうか?
それとも、ご高齢の天皇・皇后両陛下に配慮している、ということだろうか?
様々な事情があるとは思うのだが、個人的には追悼式だからこそ、被災地で行われるべきではないか?という気がしている。
なぜなら、被災地で行うことで実際の復興の状況ということが、よりわかりやすく伝わると思うからだ。

もう一つは、やはり「フクシマ事故」のことだ。
つい先日も「汚染水が管理できずにいることを、報告していなかった」などのニュースが報じられていた。
しかし、安倍さんは2020年の東京オリンピック誘致に向け「フクシマ事故での放射能は、われわれのコントロール下にある」と、プレゼンテーションをしている。
そのプレゼンテーションと現実のギャップは、随分とある。
そして、東京というか霞が関にいらっしゃる方々にとって、今や「フクシマ」は過去のモノになってしまっているのでは?という懸念をしている。
だからこそ、現場に近いところで追悼式を行うことで、今の現状を把握し情報を発信する必要があったのでは?と、感じている。

東京そのものは、震災で大きな被害が出たわけではない。
綺麗に飾り付けられ、荘厳な雰囲気の中での追悼式というのは、式典としてはよかったとは思う。
しかし、現実の復興とは程遠い状況にある被災地の姿は、式典の綺麗に飾り付けられた会場とは程遠いモノではないだろうか?

もしかしたら、ご高齢の天皇・皇后両陛下のことを考えて、ということかもしれないが、先日55歳の誕生日を迎えられた皇太子様に対して「今上天皇が、天皇に即位された年齢になられ、自分が将来天皇となるための覚悟はあるのか?」といった趣旨の記事が、一部雑誌などで見受けられたことを考えると、このようなときだからこそ、天皇・皇后両陛下の名代として、皇太子ご夫妻が被災地での追悼式にご出席される、ということを検討されても良かったのではないだろうか?

「阪神淡路大震災」が、復興宣言をしたのは震災から10年経過してからだった。
「阪神淡路大震災」よりも、規模も被害も大きかった「東日本大震災」の復興が終わるのは、10年以上かかるだろう。
それを考えると、被災地以外に住んでいる私を含めた多くの人たちにとって「被災地の今を知る」という機会は、このような式典なのではないだろうか?
被災地で式典があれば否応なしに、被災地の姿を報道することになる。
綺麗に飾られた東京での式典とは全く違う現地の姿の中で、追悼式典を行うことのほうが、追悼としての意味も意義もあったのではないだろうか?