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3Dがトレンドになりつつある?通販アパレル

2015-03-04 22:25:43 | トレンド

春向けの通販カタログが送られてくるようになった。
実際には、年明けから様々な通販カタログが登場するのだが、あまりじっくり見ることがなかった。
週末、複数のアパレル系の通販カタログを眺めていて気付いたことがある。
それは「3D」というキーワードだ。

テレビの3Dや映画の3D人気は、随分静かになってしまった感があるが、アパレル業界ではトレンドとなりつつあるようだ。
なぜだろう?と考えてみると、通販でアパレルを買う層が変化してきているのでは?という気がしている。
というのも、「3D」という言葉を使うアパレル商品の多くが、40代~50代の女性を対象とした商品だからだ。
おそらく10年ほど前の50代であれば、百貨店などで「マダム向け」のアパレル商品を購入する人が多かったのではないだろうか?
最近、60代の女性に話を聞くと「やはり百貨店の商品は良いものが多いから、安心して買い物ができる」と言われることが多い。
それは海外の高級ファッションブランドを扱っている、というだけではなく、日本のアパレルメーカーに対しても「百貨店扱い=安心できる良い商品」というイメージが強いようだ。
それが、50代くらいになると「ユニクロもファッションの一つ。通販のアパレルだって自分の好みに合っていれば購入する。自分のファッションセンスを(ある程度)信じている」という傾向がみられるようだ。
そこには、10代の頃は「MCシスター」や「セブンティーン」、20代になると「JJ」や「クラッシー」、「ヴァンサンカン」といったファッション雑誌をお手本としてきたという経験があるからだろう。それだけではなく、今の40代後半~50代半ばが20代の頃、一大ブームとなったDCブランドをけん引した世代でもある。コムデギャルソンやY'sといったブランドを国内で成長させた原動力となったのは、彼女たちだった。

そんな彼女たちも体形変化が著しい年代になり、若いころのような服装選びではどことなくちぐはぐ感を持つようになってきた。
そこで登場したのが「3D」でスキャニングして作られたパターンで作られた洋服だ。
体形変化はどうしようもないが、おしゃれは楽しみたいし、自分のファッションセンスでコーディネートしたい。
だからと言って、百貨店の「マダムファッション」は自分の好みではない・・・というところに目を付けたのが、通販アパレルなのだ。
「百貨店よりもお値打ちで、着心地がよく、仕事からプライベートまで着回しができる程よいトレンド感のあるベーシックスタイル。もちろん『おばさんファッション』ではない」という、欲張りな40代~50代は多い。
その意味では、百貨店向け商品よりも、大量のストックを持たなくてはならない通販アパレルと今の40代~50代のニーズがマッチしているのだと思う。