スーパーなどのPB商品と言えば、「スーパー側の様々な努力により、低価格に抑えた商品」というイメージがある。
実際、ナショナルブランドと呼ばれる商品よりも、1割~2割程度安い価格設定になっている。
特に食品に関しては、大手スーパーだけではなく、ある程度の規模を持つローカルスーパーなどでもPB商品が目立つようになっている。
随分前に、「プレミアムPB商品」を発売して人気を博したのは、コンビニだった。
その時のヒット商品となったのは、生クリームたっぷりの一人分のロールケーキやデザートだった。
その次は、パン製品やおにぎりだった。
そしてこの傾向は、今でも続いている。というよりも定着してきている。
この「プレミアム化」が、スーパーなどにもみられるようになってきたようだ。
価格にしても、これまでのPB商品よりも、ナショナルブランドに近い価格のPB商品が次々と登場している。
今現在は、スーパーという事業形態らしく、食品が中心だがイオンのような衣料品や日用雑貨のPB商品を発売しているスーパーなどでは、いずれ既存のPB価格よりもやや高めの価格設定をしながらも、ナショナルブランドに近い価格で、高品質を謳うような商品を発売する日も近いのでは?と、想像するほどの勢いがある。
大手スーパーだけではなく、ローカルスーパーなどもこぞって「PB商品のプレミアム化」を進めるのか?ということを考えると、一つはPB商品に生活者が飽きはじめたのでは?という気がしている。
確かに価格的には安いので手に取り・買いやすいという点はあるが、「味は?添加物は?」という価格以外に対しての欲求が、生活者に生まれ始めているのではないだろうか?
「安いだけじゃ×。美味しくて、添加物など食の安全・安心にまで気を配った商品が欲しい」という、生活者のPBに対しての期待の変化、ということだ。
他に考えられることは、やはり「経済の見通しが、やや明るくなり始めたのかな?」という、期待感だろう。
「毎日のことだからこそ、大きな贅沢はできないけれど、お財布が許せる贅沢は少しはしたい」という欲求だ。
これは数年前の「コンビニ、プレミアムスィーツ」の大ヒットくらいから、少しずつ出始めていたのだが、その対象となる商品に幅が広がり始めている、ということだろう。
このようなPB商品の「プレミアム化」は、PB商品すべてで起きるということはないかもしれない。
たとえば、アパレルなどは「流行」の問題があり、スーパー側が在庫を丸抱えにするPB商品は、リスクが大きすぎる。
とすれば、比較的リスクの少ないインナーや靴下などに限られるだろう。
それでもPB商品のプレミアム化には、生活者との信頼となるコミュニケーションが重要で、「PB商品の強み」である「生活者の声を反映したプレミアムPB商品」である必要がある。
「PB商品のプレミアム化」をするために必要なことは、生活者とのコミュニケーション力ということになりそうだ。