今朝の朝刊の真ん中にdocomoが全面広告を打っている。
iPhone6に搭載されているカメラで撮影をした、トナカイの写真だ。
IPhone6:ワールドギャラリー
至近距離で撮影された草を食む立派な角を持ったオスのトナカイの写真は、見ているだけで迫力を感じる。
それだけではなく、画像の美しさにも目を奪われる。
実際、ワールドギャラリーに掲載されている写真や動画を見ると、スマートフォンに搭載されているカメラで撮影されたとは思えないほどの画質の素晴らしい映像をたくさん見ることができる。
iPhone6のカメラ機能の素晴らしさを実感できるだけではなく、何気ない日常の中にも観方を変えると違って見えるモノやコトがたくさんあるのだな~と感じさせる。
この広告で気になったのは、広告主がAppleではなくdocomoであったことだ。
iPhone6のカメラ優れた機能を謳うのであれば、Appleが打つべき広告だと思う。
それをdocomoがしている。
しかも、docomoのロゴは、小さく左下に表示をされているだけだ。
この広告を観た人は「何の広告?」を思うだろう。
左側にさりげなく表示をしてある、「ワールドギャラリー」のURLを見て「あ~、Appleの広告なのか」と、理解すると思う。
この広告を観た人は「『ワールドギャラリー』へアクセスしてみよう」という気が起きても、docomoとの関連をイメージできる人は、そう多くはないと思う。
それだけではなく、iPhoneそのものはSoftbankもauも扱っている。
国内で真っ先に扱ったのはご存じのとおりSoftbankで、docomoはやっと昨年取扱いを始めた。
その意味では、iPhoneの取り扱いイメージはdocomoよりもSoftbankのほうが強いのではないだろうか?
それでも、あえてdocomoがこのような広告を打ったのはなぜなのだろう?と考えてみると、iPhoneをスマートフォンの中心に置きたい、という考えがあるからかもしれない。
というのも、先日「世界のスマートフォン市場での利益率」が、発表されたからだ。
CNET:世界スマホ市場で「Android」の利益シェアが11.3%に激減
スマートフォンのOSは、iOSとAndroidの二つしかない。
そしてAndroidの利益シェアが11.3%しかないということは、88.7%という圧倒的な数字をiPhoneが抑えている、ということになる。
Andoridは、様々なメーカーが参入し作っているので、スマートフォン市場における販売台数そのものの数は多くなるが、利益率が低いとなると、iPhoneの取り扱いが遅れたdocomoとしては、他社よりも積極的にユーザーを増やしていく必要がある。
そう考えると、今回の広告を出した意図はなんとなく理解できるのだが、受け手である生活者はこの広告を見て、それを理解し、結びつけることは難しいと思う。
広告は確かに「売る」だけを目的としているわけではない。
昨日エントリした、キューピーのような広告もある。
しかし、生活者に広告の意図が伝わらなければ、その広告は意味がないと思うのだ。