日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地域の活性化に必要なことは、なんだろう?

2015-03-24 17:11:14 | アラカルト

お彼岸で実家に帰省した帰り。
いつものように高速バスを利用したのだが、その車窓から「123年、ありがとう」という横断幕を見かけた。
どうやら、小学校が廃校するために、掲げられた横断幕だったようだ。 
掲げられていた校舎が、建て替えられてから20年ほどなのだろうか?比較的新しいコンクリート製だった。
比較的新しい校舎だからこそ、「123年」という文字がどことなくさみしげに感じた。

考えてみれば、この廃校になる小学校だけではなく、この時期は全国各地で同様の「廃校式」が行われていると思う。
ご存じのように少子化傾向が続けば、生徒数そのものが少なくなり廃校する小学校や中学校が増えてもおかしくはない。
問題となるのは、廃校した校舎の利用だろう。
私が帰省していた頃、盛んにテレビで「地方自治体における、老朽化した公共施設の問題」が取り上げられていた。
高度成長期からバブルの頃にかけ、全国各地ではさまざまな公共施設が建てられた。
その頃建てられた施設が老朽化し、自治体の財政が厳しくなってきたこともあり、施設の維持管理費の問題がクローズアップされてきたのだ。
維持管理という部分だけでは収まらず、取り壊しということも検討する自治体も多いという。
しかし、その取り壊す費用の捻出すら問題となっているらしい。

このような問題が起きると感じることなのだが、自治体そのものを維持するために事業を行う、ということはダメなのだろうか?ということだ。
例えば「非営利団体」であるNPOであっても、団体維持のためにはそれなりの収益を上げる必要がある。
それと同じように、自治体自らが維持のための事業ということも、考える必要がある時代になってきているのではないだろうか?
特に、田舎に行くと上述したような廃校になった小学校などが、そのままの状態で朽ち果てていくのを待っている、ということがある。
このような「朽ち果てるのを待つ」ということは、実は周囲の生活環境にとってマイナス面が多い。
よく言われることだが、「空き家があると不審火などが増える」ということと同じだ。 

とすれば、自治体自ら積極的に活用をする、ということを考える必要があるのではないだろうか?
高齢者が多い地域となれば、地域包括支援センターのような施設の出張所に作り替え、地域の高齢者の病気などの予防センターのような施設にするなど、小学校をはじめ公共施設の多くは比較的ロケーションの良い場所に作られているメリットを考えた、これから必要となるモノ・コトを自治体が中心となって、医療や福祉関係と一緒に作っていくとか、インターネットなどのITインフラを整備し、都市部以外でも十分仕事ができるような産業を誘致するなど、施設を維持するとか取り壊す以外の使い方を考え、そのための維持管理を事業として賄う、ということが必要な時代になってきているように思う。