日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

低価格は大きな魅力だが、それだけでは生活者を捕まえることはできない

2015-03-17 20:42:14 | マーケティング

Yahooのトピックスに、「アップル」から「サムソン」どのような理由なら、乗り換えるのか?という米国のリサーチ会社のレポートが、掲載されている。
Yhaoo サーチナ: 「アップル」から「サムソン」どういう理由だったら「スマホ乗り換え」する?・・・米国の携帯買い取り会社が調査=米メディア

このレポートを読むと「乗り換え理由」そのものが、「なんとなく」というユーザーが比較的多いことに気が付く。
おそらく、商品を購入するときこの「なんとなく」とか「その時の気分」という、はっきりとした理由がない購買動機が一番多いような気がする。
実際、自分が買い物をするとき「何を考え、どのような基準で購入するのか?」と改めて聞かれると、「???」と思うことが多いのではないだろうか?
むしろ「購入目的」をしっかり持って、その目的だけのために商品を購入する、というケースは、よほど「計画性を持った人」くらいしかいないのではないだろうか?
だからこそ、製品のイメージづくりやブランド戦略ということが重要である、ということになると思う。

そのような「雰囲気」で購入する人が多い反面、「価格」で商品購入を決める人がほぼ同じくらいいる、という点にも注目する必要がある。
今回の調査で明らかになったのは、サムソンのGalaxyの性能やデザインではなく、「低価格」あるいは「無償提供」であれば、乗り換えるというiPhoneユーザーが多いということだろう。
iPhoneよりもGalaxyが魅力的である、という理由を挙げるとすれば「価格」だけということになってしまう。
この「価格だけ」という点に絞られると、日本のメーカーがスマートフォン市場から追いやられたように、新興国の安価なスマホに対して市場を奪いとられてしまう、ということを表している。
事実、すでにそのような傾向は表れており、ご存じの方も多いと思うのだが、このシャオミは安価なスマートフォンで、サムソンの牙城を切り崩している企業として、注目をされている。
 
「どのようなことがあっても、iPhoneからGalaxyに乗り換えない」という、固定的なアップルユーザーが16%いるというのは、アップル側としては、心強いデータだと思う。
なぜなら、他の「乗り換え理由」で挙げたことなどは、iPhoneだけではなくGalaxyにも共通する改善点だからだ。
このようなリサーチ結果を見る限りでは、サムソンの魅力の中心は「価格であった」ということになってしまう。

これはサムソンとアップルの比較だけではなく、さまざまな商品やサービスに当てはまることだと思う。