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民放のCM付ネット放送は、これまでのテレビ放送を変えるかもしれない。

2015-03-19 20:46:52 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、民放がCM付でネット放送を開始する、という内容の記事が掲載されていた。
日経:民放大手5社、番組無料ネット配信 CM付きで10月から試行 

テレビ番組のネット放送を巡っては、NHKがまずPCやスマートフォンなどに対しても、受信料を課す対象とする、という趣旨の発表をしている。
この発表の前後に、我が家にもNHKの徴収担当者?と思しき方が来られ、いろいろ聞かれた。
「テレビは無い」というと、「スマートフォンはありませんか?」と聞かれ、「ワンセグが受信できないガラケーです」と答えても、信用されず、実際のガラケーを見せてやっと納得してもらった。
正直、ここまでチェックをしてまでも受信料を徴収したいのか?!と、驚いた。

しかし、今現在でもNHKはネット配信をしており、有料で見られることになっている。
この有料部分を据え置いて、新たにPCやスマートフォン(やタブレット)などで視聴することができる、ネット配信にまで受信料を取る、というのは、受信料+配信料の二重取りではないだろうか。
もう一つ考える必要があるのでは?と思うのは、ネット上で見られる動画は数多くあり、テレビのように「NHKと民放しかない」という状況ではない。
NHKが根拠としている?「放送法」そのものは、テレビ放送が始まった当初に作られた法律で、今の時代にあっている内容とは言い難い。
それでも「受信料」にこだわり続けるのは、「受信料」がNHKの収入源だ!と言いたいからだろう。
本当は、NHKエンタープライズなどの名前で、様々な関連商品を販売し、かつて放送された番組のDVD化などでも収益を上げているはずなのだが、このような指摘がされても「みなさまのNHKは受信料で成り立っている」とい姿勢は崩さない。

そこへ対抗するかのように、民放5社がCM付きでネット配信をするという。
今やCMそのものはテレビで流すだけではなく、むしろネットを意識した作り方になっている。
テレビCMは、ネットでのCMに誘導することが目的となりつつあるのかもしれない。
そう考えると、今回の民放5社のCM付きネット配信というのは、広告収入増などを考えた策かもしれない。
クリスマスシーズンに流される海外有名ファッションブランドのネットCMのように、これまで対象とならなかった企業も対象となる可能性があるからだ。

それだけではなく、FMではスマートフォンで全国のFM局の放送が聴ける、というサービスがすでに始まっているという点にも注目すべきだと思う。
おそらく、テレビでも同様のサービスは始まるだろう。
地方でしか見られなかった番組が、ネットを通して全国で見られるようになると、NHKのような「全国均一放送」が中心の放送は、魅力的ではなくなってしまう可能性がある。
それは、民放5社についても同じで「ネット配信を始める」ということは、ローカル局がローカル企業のCMを積極的に流すという、これまでとは違う「モノ・コト」の流れが生まれてくるかもしれない。

テレビのネット配信は、今までとは違う発想で「放送」というモノを考える必要があるのではないだろうか。