日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ロングセラーに必要なコトは?

2015-03-01 21:46:48 | マーケティング

今日の朝刊に、2つの食品会社の全面広告が掲載されていた。
一つは「丸美屋食品」。もう一つは「キューピー」だった。
この2社に共通する点がある。
それは、「ロングセラー商品」が看板商品である、ということだ。
ご存じのとおり「丸美屋」は「のりたま(ふりかけ)」、「キューピー」は「マヨネーズ」だ。

「丸美屋食品」の広告は、毎年この季節に行う「キャンペーン」の広告で、「キューピー」の広告は、企業広告で90周年を迎えたことへのメッセージという内容になっている。
キューピー:マヨネーズ90周年
 
特にキューピーの広告を読みながらフッと思ったことが、「ロングセラーを創るために必要なコト」だった。
連動テレビCM:「改良は発明」篇

ヒット商品が生まれると、その商品を大切に成長させるために、企業は様々な方法をとる。
一番わかりやすいというか、やりやすいのは「マイナーチェンジ」だろう。
自動車のように「マイナーチェンジ」が、生活者にもわかりやすければ、それまでの商品イメージを大きく変えることなく、「新しい」と生活者に感じさせることができる。
しかし「丸美屋」や「キューピー」のような、食品会社の場合「わかりやすい変化」は、様々なリスクを伴うことが多い。
たとえば、コカコーラだ。「ダイエットコーラ」が発売されたとき、「これはコカコーラではない」という、批判が少なからずあった。
その後も、新しい味の商品が登場するたびに、コカコーラファンからは批判が出てきている。
それだけ「慣れ親しんだ味」を変えるというのは、難しいのだと思う。

今回紹介しているキューピーの広告には、以下のような内容が書かれていた。

「壁に入ったマヨネーズが、新しいマヨネーズに生
まれ変わって戻ってきます。
完全と思われる製品から、改良の余地を発見すること。
キユーピーは、いままでもこれからも継続して
製品と向き合っていきます。

「KEWPIE MAYONNAISE.EVER NEW.」
キユーピー マヨネーズは2015年3月に、発売90周年を迎えます。
これからもキユーピー マヨネーズの進化は続いていきます。」

キューピーは「EVER NEW」と言っているが、別の言葉を使うのであれば、「Make New」というコトになるのではないだろうか。
「新しいを創る」というと、どこかで聞いたことがあるようなキャッチコピーのようになってしまうが、すでに「ブランド力があり、ベストセラーになりつつある商品」だからこそ、「慣れ親しんだ」というだけではなく「あたらしい何か」を見つける努力が必要である、ということをこの広告で言っている。
「慣れ親しんでいる」からこそ、常に「あたらしい何かを創り続けること」が「ロングセラー」に結びついている、ということなのだと思う。

「丸美屋」の「のりたま」にしても、パッケージのようなわかりやすい「新しさ」だけではなく、時代の変化(この場合は、「社会的味覚の変化」ということになるのかもしれない)に合わせて、調味具材の比率を変えたりしている。
「慣れ親しんだ味」だからこそ、「安心感」と「飽きさせない」という部分での「新しさ」が必要だということを、この2つの企業広告を見て感じた。