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自分たちが「自由」な政党では、困るのは国民

2015-06-12 21:49:53 | 徒然

先週だったと思うのだが、国会で憲法学者3人が「集団的自衛権」をはじめとする現政権が提出している法案は「違憲である」と、発言をした。3人の中には、自民党寄りと思われた憲法学者さんもいたために、自民党側は相当焦ったのだろう。翌日には「違憲だという認識はない」ということを菅官房長官が、発表をしている。

そして今日、元自民党出身者で政界の重鎮といわれている3人と新党さきがけを作られた武村さんが、安保法案に対して反対である、ということを表明している。
この4人の方々に共通していることは、「(第二次世界大戦の)戦争体験者」である、ということだ。
そしてそのことに対して、菅官房長官は「すでに政界を引退された方の意見ですから、関係ない」という趣旨のことを話されている。

毎日新聞:<安保法案>保守系の重鎮4人が反対表明

正しくは、政界を引退されたのは福井さん、山崎さん、武村さんの3人で、亀井さんは現役の政治家である。
おそらく菅さんからすれば、亀井さんが現役であろうと、法案には全く影響のないと思われての発言なのだろう。
自民党時代の亀井さんの活躍ぶりを思うと、「随分失礼な態度だな~」という気がするのだが、党が違えば関係ない、ということなのだろう。

この「安保法案」そのものに対して、憲法を専門に研究している研究者から「違いますよ」といわれ、現役を引退したり、現在あまり影響力がないと思われる立場の人たちの言葉を「関係ありませんから。」という言葉で、済ませてしまう今の自民党に、不信感を持たれる方は多いのではないだろうか?

確かに今の自民党や安倍さんが、「決められる政治家・決められる内閣」という印象を、強く打ち出そうとしているのだと思うのだが、その方向が違っているような気がするのだ。
確かに「アベノミクス」で、景気が上向いた(ような気がした)時、「やはり、決められる政治家の存在は頼もしい」という印象を、世間に与えた。
でもそれは「経済」という、「人の命=戦争」とは関係のないことだったからこそ、国民から支持を得え(たように思えた)のだ。

しかし今回の「安保法案」は、「人の命=戦争」に関することなのだ。
「安保法案」に対する自民党の態度は、「自分たちが自由に、なんでも決められる政党」という印象だ。
自民党の正式名称は「自由民主党」だが、そこには「民主」はないような気がする。