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女性の活躍に「トイレの行列解消」なのだろう?

2015-06-26 17:01:32 | アラカルト

WEB新聞チェックをしていたら「なぜ???」と、思うような記事があった。
朝日新聞:女性活躍の重点方針に「トイレの行列解消」転換の象徴

記事を読むと、「女性活躍の重点方針」の一つとして「トイレの行列解消」ということ目指す、ということの様なのだが、なぜ「トイレ」なのだろう?
「オフィスのトイレをきれいにする」というのではなく、「トイレの行列を解消する」というのが、よくわからない。
というのも、オフィスの女子トイレが混雑する時間というのは、朝と昼食後で目的は「化粧直し」だからだ。
トイレとは別に「化粧室を造る」というのであれば、なんとなくわかるのだが・・・。

確かに、百貨店の女子トイレなどは「化粧直し」ではなく、本来の目的としての「トイレ」で行列ができることがある。
観光地などで女性客が、トイレで行列しているのも、度々見かける光景だ。
男性が多い職場の女性のために、トイレの数を増やす、というのはわかるのだが、それと「女性の活躍」が、どう関係するのだろう?
単純に「トイレの数を増やせば、女性が活躍できる場が増える」という発想なのだろうか?
記事全文を読んではいないので、十分理解している記事ではないが、「トイレの数を増やす」前にやることはいっぱいあるのではないだろうか?

そもそも「男性中心の職場に女性を増やす」ということは、女性の雇用を増やす必要がある。
その準備として「トイレの数を増やす」というのであれば、まず「雇用を増やし、男女の待遇格差を解消する」ということが先だと思う。
職場そのものに魅力がなければ、「働きたい!」という女性は増えない。
その視点は、どこへ行ってしまったのだろう?

「女性が働きやすい職場」というのは、「女性が育児・子育てがしやすい職場」のはずだ。
もちろん、出産のために一時職場を離れても、職場復帰しやすい制度などがあることも、重要だと思う。
それだけではなく「男性の育休」も取得しやすい、ということも重要だ。
何より、「(職場でも家庭でも)男女が一緒になって、社会を創っていく」という、社会全体の理解がされていなければ、難しいのでは?

自民党の中には「男女の社会的役割分担」に、こだわる方が多いように感じている。
「男は外・女は家庭」という考えであれば、何も「職場の女子トイレ」を増やす必要はない。
「女子トイレ」を増やせば、「暮らしの質が向上」するわけではない。
いくら「象徴」としてのスローガンであっても、的外れ感たっぷりな気がするのは、私だけだろうか?