日々是マーケティング

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今年のファッショントレンドから感じること

2015-06-28 19:55:22 | トレンド

年明けごろから、徐々に目立つようになってきたファッショントレンドがある。
「ボタニカル・ファッション」だ。
「ボタニカル」といわれても、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれない。
いわゆる「植物」のことだ。
その中でも目を引くのは「花などをプリントした柄」だ。
今年の夏フェスなどでは、「花冠のアクセサリー」などが注目されるのでは?と、言われている。

そして「ボタニカル・ファッション」は、レディースだけではなく、メンズにもその傾向が見られる。
先日名古屋のH&Mの前を通ったら、大胆なボタニカルプリントのメンズパンツやTシャツなどが、ディスプレイされていた。
ファッションのボーダーレス化という意味よりも、時代と今の社会が「ボタニカル」的なモノを求めているのか?という、印象を受けたディスプレイであった。

ディスプレイを見ながら思い出したのは、1969年の「ウッドストック・フェスティバル」と「フラワー・チルドレン」だった。
当時のアメリカh「ベトナム戦争」が泥沼化していく中で、「花」を一つの象徴として、ファッションのモチーフとしていたのが「フラワー・チルドレン」であり、彼らの多くが「ウッドストック・フェスティバル」のような、カウンターカルチャーの担い手であった。

そう考えると、今の社会もその当時のような「空気感」があるのでは?という、気がしている。
ISのような、狂信的過激派の躍進。
ロシアのクルミア半島への侵略、中国のウィグルやチベットへの弾圧・・・世界各地で、様々な紛争や弾圧が行われている。そして日本でも、怪しい雲行きの「集団的自衛権行使のための動き」。
世界各地で多くの人たちが、「平和」の難しさを感じ、それでも希望を捨てずに何とかしよう、とする気持ちがファッションの一つとして、あらわれ始めているのかな?とも感じ取れるのだ。

1970年代の「フラワーチルドレン」のファッションに比べると、今年のトレンドである「ボタニカル・ファッション」は、相当おとなしめで、当時のようなポップでカラフルな感覚ではないが、洗練された感(?)がある。
逆にそれだけ、多くの人が着やすいように思う。
ファッションは、時代時代の空気感を敏感にキャッチする。
社会に「Bad News」が多いからこそ、ファッションだけでも明るく心癒されるような「ボタニカル」が、人気になるのかもしれない。