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ソフトバンク「ペッパー」は、生活を変えるだろうか?

2015-06-22 19:15:48 | ビジネス

一昨日、ソフトバンクが「家庭用ロボット・ペッパー」を発売した。
6月分販売台数1,000台は、1分で完売したようだ。
日経新聞:ヒト型ロボ「ペッパー」1分で完売 ソフトバンク
このニュースを聞いたとき、ソニーの「イヌ型ロボット・AIBO」の発売当時(1999年)を思い出した。

ソニーの「AIBO」も、その当時としては最新の「人工知能」を搭載しており、飼い主の接し方で「AIBO」の性格などが生まれ、成長するという内容だったと思う。
当時は、マンション住まいなどでペットが飼えない人の「ペット代わり」という、とらえられ方をしていたと思う。
もちろん、本物の犬を飼っていらっしゃる「犬好き」の方も、購入されたと思う。

その後「AIBO」に続け!とばかりに、「動物型ロボット」が次々と登場し、高齢者などの「癒しアイティム」としても、注目されるようになった。
その理由は、それまでの「お返事人形」のような、すでに内臓されている音声装置で、決まった返事をするのではなく、相手に合わせた動きや、返事をする、という「コミュニケーション」が高齢者の「癒し(とボケ防止)」になる、という傾向が見られたからだ。
もちろん、ホンダの「アシモ」のような二足歩行のロボットも注目されていたが、「アシモ」はあくまでも一般家庭ではなく、企業やイベント向けのロボットという位置づけだったように思う。

それが、ソフトバンクは、いきなり(?)一般家庭に「ヒト型ロボット」を普及させようというコトらしい。
「AIBO」や「アシモ」という先輩ロボットがいたからこそ、一般家庭でも受け入れられるのだと思うのだが、果たして今回(今後も含めて)「ペッパー」を購入した人たちは、どのような目的で購入したのだろう?
コマーシャル映像を見る限り、様々な家庭での使われ方を想定しているのがわかるのだが、ピンとくる部分が少ない。
「ペッパー」が悪いのではなく、おそらく私の中で「ヒト型ロボットのある暮らし」が、想像できないからかもしれない。

そして「ペッパー」の一般発売で、注目されるようになった「人工知能」は、私たちの生活にどのような変化をもたらすのだろう?
昨年「今後人工知能にとって代わられる職業」というリストが発表され、話題になった。
そのリストの中には、証券アナリストのような意外な職業も含まれていた。
おそらく「予測・分析」という部分では、「人工知能」のほうが優秀、というコトなのだろう。
とすると、人のできるというよりも「人でなくてはできないモノ」は、いったい何だろう?と考えていく必要がある。
「ロボットのある暮らし」というのは、「人でなくてはできないモノ・コト」を考える暮らしなのかもしれない。