日々是マーケティング

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スマホにハイレゾは必要か?

2015-06-15 20:59:10 | マーケティング

Yahooに表示される広告を何気なく見ていたら、「ハイレゾ対応スマートフォン」の広告が出ていた。
調べてみると、すでに昨年の9月に発売されている機種の、今年の夏モデルの様だ。
ソフトバンク:XperiaZ4キャンペーン

ソフトバンクは、docomoやauよりもソニーのXperiaの扱いが遅かったため、android搭載のスマートフォンの人気機種のユーザーを増やそうということなのだろう。
そのためのキャンペーンを、他社よりも積極的に展開している、ということはよくわかる。
ただ、その前に一つ疑問に思ったことがある。
それは「スマホにハイレゾは必要なのか?」という点だ。

以前、高画質テレビよりも高音質テレビのほうが、需要があるのでは?という内容のエントリをしたことがある。
残念ながら、テレビを作っているメーカーさんの多くは、高音質よりも高画質のほうが魅力的らしく、先週末に入っていた家電量販店の夏のボーナスシーズン向けのチラシでも「4Kテレビ」への買い替えを勧めていた。
テレビ番組そのものが、あまり魅力的ではなくなってきているとすれば、何も「ハイレゾ」でバラエティー番組を見る必要はないのかもしれない、などと思いながらチラシを眺めていた。
とすれば、テレビのハイレゾ化に必要なのは、テレビ番組の内容次第ということなのかもしれない。

そして先日、appleが発表したように定額音楽配信が始まれば、スマホで音楽ショップにアクセスをし、音楽を聴くようになるのが当たり前になるだろう。
その音楽をハイレゾで聞ければ、確かに良いのかもしれない。
だが、そのような音楽視聴のスタイルで音楽を聴くユーザーが、高音質を求めるのだろうか?という、疑問を感じるのだ。
ハイレゾという高音質が発揮される音楽は、どんな音なのだろう?と、改めて考えてしまうのだ。
そもそもスマホというツールで音楽を聞くスタイルと、ハイレゾ音源で音を楽しむスタイルは、同じなのだろうか?

コンピューターにデータを打ち込むように作られる音楽の音源と、人が奏でる音源とではそもそも音の質が違うのでは?その音源の差が如実に現れるのがハイレゾだとすると、聞く側として「心地よい」と感じる音源は、どちらなのだろう?
コンピューターに打ち込まれて作られた音源だから悪い、というのではない。
あくまでも個人的な感覚として、「音の厚み」が感じられないだけなのだ。
ハイレゾという音源であればこそ、その「音の厚み」を楽しみたいと思うと、スマホで聞く気にはなれないのだ。
古い感覚の音楽ファンなのかもしれないのだが・・・。