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アマチュア野球選手のゴールは、プロ選手だけなのか?

2015-06-13 20:12:22 | スポーツ

今日の午前中(日本時間)には、「なでしこジャパン」の試合があり、テレビ観戦をされていた方も多いのでは?
彼女たちのほとんどは、プロ選手ではない。女子サッカー選手の生活環境というのは、男子と比べると随分厳しい、ということはご存じの方も多いと思う。

そして、そのようなスポーツのほうがほとんどで、プロ選手として活躍できるスポーツは一握り。
日本におけるその頂点というのは、おそらく「Jリーグ」ではなく「プロ野球」だと思う。
最近ではサッカーも随分一般紙やスポーツ紙の紙面をにぎわすようになってはきているが、シーズンを通してトップ記事として扱われる回数が多いのは、プロ野球だと思う。

ネットのニュースチェックをしていたら、日本のスポーツメディアや野球関係者の志向(というか「思考」というか)が、随分古臭いのかな?という記事を見かけた。
産経IZA!:プロ注目の155キロ右腕が仰天発言 流経大・生田目「市役所に勤めたい」

試合の内容が素晴らしい結果だからこそ、ヒーローインタビューでいろいろなことを質問されるのだと思う。
当然のように「将来はプロ野球で活躍(できれば、具体的な球団名まで)」ということを、聞き出したかったのだと思う。
ところが「出身地の市役所に勤めたい」という答えは、肩透かしどころか、質問をした記者さんや一緒にいた記者さんたちにとっては「想定外」だったのだろう。
だからと言って「仰天発言」というのは、どうなのだろう?
「期待通りの回答ではなかった」ということもあるのだろうが、生田目選手の将来を関係のないメディア関係者があれこれ言うことではない。

実際鳴り物入りでプロの世界に飛び込んでも、活躍ができる選手などはほんの一握り。
多くの選手は、夢破れてその舞台から去っていく。
だからと言って、プロにいくことをけしかけたメディアには、責任は無い。
なぜなら「プロにいく・いかない」は、選手個人の選択だからだ。
であれば、「仰天発言」という言葉は、必要なかったのではないだろうか?
産経だけではなく、多くのスポーツ紙には同様の言葉が使われていた。
その使い方を見ると、アマチュア野球選手が目指す最終地点は「プロ野球でなくてはならない」という、ある種の固定観念にとらわれているかのようだ。

もし生田目選手が、市役所の職員として「市民スポーツ」にかかわるのであれば、それはそれで素晴らしいことだと思う。むしろ子どもの野球人口が減っている状況を考えると、歓迎すべきことかもしれない。
トップ選手を支えるためには、様々な人の力が必要だ。
スポーツ振興を考えるのであれば、指導者やスポーツ施設、場合によってはスポーツ医療や栄養学という、様々な人の協力が必要だ。
むしろ「ドラフト注目選手=プロ野球選手候補」という決めつけを外すことが、「スポーツメディア」には必要だと思う。