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「地ビール」にも「クラフトビール」の波?

2015-06-25 20:31:01 | トレンド

バブルの頃だったと思うのだが、「地ビールブーム」と呼ばれるような時期があった。
全国各地に「地ビール工場」ができ、話題になったのだが、その後ブームが去ると資本力のなかった「地ビール工場」は、次々に閉鎖されたように記憶している。
今現在残っている「地ビール」は、それなりの資本力と固定ファンをつかむことができた、ブランドということになると思う。
おそらくその筆頭は、沖縄の「オリオンビール」と岩手の「銀河高原ビール」ではないだろうか?
もちろん、今でも「オリオンビール」や「銀河高原ビール」ほどメジャーではなくても、「生産地のみ販売」という「地ビール」もあるだろう。

そんな「地ビール」にも、「クラフトビール」の波がやってきているようだ。
日経WEB:静岡県産ミカン使ったビール好評

2,3か月ほど前だったと思うが、「今年はビール各社が、クラフトビールに力を入れている」という話題があった。
ご存じの方も多いと思うのだが、ベルギービールに代表される「クラフトビール」が飲めるお店が、随分増えてきている。
お店だけではなく、ディスカウント酒店などでも独自の輸入ルートで「クラフトビール」を、販売しているところもあるようだ。
それだけ「クラフトビール」が、定着し始めているのかもしれない。
もちろん「ビール」そのものは、国内メーカーだけでも新商品が登場するが、多くの新商品は「年内に姿を消す」といわれているので、「クラフトビール」そのものが、一般家庭の「家飲み」に定着するまでには、時間がかかるかもしれない。

それでも、地方の「地ビール」メーカーが、「クラフトビール」を生産するメリットは高いかもしれない。
というのも、「クラフトビール」は産地の差別化がしやすいからだ。
普通の「ビール」と違い、地元の果物を使うことができるので、紹介したような「静岡のミカンを使ったクラフトビール」と言えば、受け入れられやすいと考えられるからだ。
今後「山形県・さくらんぼクラフトビール」とか「福島・献上桃クラフトビール」というような、産地名を使ったクラフトビールが登場するかもしれない。

通常の「ビール」に比べ、「口当たりもよく、フルーティーで飲みやすい」といわれ、女性に人気だといわれている「クラフトビール」は、「地ビールブームよ!再び」という感覚ではなく、「新しい市場を作り出す」という視点を持って考えれば、地方の活性化にもつながる要素があるようにも思う。