日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「統計」の読み方は、一つではない

2016-01-02 13:54:53 | ビジネス

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

今年は、とても穏やかな年明けとなった。
温暖化の影響か?寒さも例年ほどではなく、温かな元旦だった。
朝、新聞を読んでいると「昨年の出生数が死亡数を上回った」という記事があった。
朝日新聞:昨年の出生数、5年ぶり増加へ 人口減少は9年連続

この記事を読んで、「高齢化社会なのだから、このような数字になるのは当然だろうな~」という、気がした。
今の日本では、医療の進歩で新生児の死亡率というのは、とても低い。
それに比べ、高齢者になればなるほど様々な「死亡リスク」は高まる。
そう考えれば、むしろ自然なコトでこの傾向はあと20年以上続くかもしれない。
言い換えれば、日本の人口はあと20年くらい減り続ける可能性がある、とも読み取れる。

昨年話題になった「地政学」の考えの中には、このような「人口統計」から見た社会の在り方というものがある。
単純に出生率が上がれば、その社会が若く発展する要素がある、というモノではない。
なぜなら、今年生まれた子供が社会人となるまでの時間的経過が、その時々の社会に様々な影響を与えるからだ。
と同時に、死亡率もまた社会を映す一つの鏡だと言える。
震災や戦争などによって、亡くなる方が増えるという場合を除けば、高齢者が亡くなることが多くなるのは高齢者社会では当たり前のコトだ。
亡くなるコトではなく、亡くなり方に焦点を当てるコトで、様々な社会的問題が見えてくる。
それが今問題になっている「独居者の認知症」であったり、「孤独死」であったりするはずだ。

より重要なことは、このような人口統計に出難い「自殺者の世代別データ」などと見比べる必要があると、思っている。
日本の働く世代の自殺者というのは、先進諸国の中でも高いと言われている。
「働く世代」は、様々な社会的役割を持っている世代だと考えると、この「働く世代」の自殺者によって失われる、社会的損失に着目する必要があるのでは?
それだけではなく、この世代の人たちが与える社会的影響の大きさなどを考えると、今回発表された出生と死亡の統計よりも、重要な要素があるといえると思う。

お正月から、あまりおめでたくない内容となってしまったが、人口統計などはビジネスを考えるうえでとても重要な資料となる。
だからこそ、その読み方・見方には様々な視点が必要だと考えている。

明日は、恒例?「お正月広告(新聞)」を予定。