先々週におきた、大学生たちを乗せたスキーバスの転落事故。
現在事故検証が行われているので、少しずつ事故の全貌がわかり始めている。
事故当初、このスキーツアーが利用するバス会社が、事故を起こす2,3日前に「行政処分を受けていた」という、報道があった。
「行政処分」を受けながら、バスの運行を決めたことそのものに、問題があったのでは?という気がしているのだが、代替えのバス会社が見つからなかったのかもしれないし、バス会社が「行政処分」を受けていることを隠していたのかもしれない。
もし「行政処分」を受けていたことを隠していたのだとすると、随分悪質な会社ということになると思う。
今回の事故だけではなく、事故を起こすバスツアーがここ数年増えてきている。
利用するバスそのものが大型化しているので、事故を起こすと亡くなる方、大怪我をする人などが増えてくる。
そしてこのような事故が起きるたびに、何等かの規制がされるのだが、その規制をかいくぐって事業を行っている企業がまだまだある、ということなのだろう。
これらの事故を起こしたバス会社に共通している一つが、「格安」だ。
確かに「交通費にあまりお金をかけずに、現地でたっぷり遊びたい」という気持ちは、よく理解できる。
しかし「適正価格」と思われる価格よりも、異様に安い価格というものには「何等かの理由がある」はずだ。
いくら原油(「ガソリンの値段」と置き換えても良いと思う)が安くなっているからと言って、ツアーの値段が格段に安くなることはない。
価格そのものが異様に安い、ということは、どこかで無理をしているはずだ。
わかりやすく言えば、車両が古いとか整備費や人件費を削っている・・・などの理由がなければ、「格安」という料金は設定できないはずなのだ。
逆に言えば、あまりにも安い価格には疑ってみたほうが良い、ということになるかもしれない。
ただ一方で「規制緩和が、このような事故を招く一因だ」という方も、多くいらっしゃる。
バスツアーを運営できるほどの企業規模でもないのに、規制緩和で参入をしのでは?という、指摘だ。
確かにこの指摘は、間違っていないと思う。
問題なのは、参入をしてみたが運営できないと分かっても、撤退しにくいということもあるのでは?という、気がしている。
参入条件を厳しくすれば「規制緩和の意味がない」という考えもあると思うが、「規制緩和をしたのだから、撤退する自由もある」という、「撤退のしやすさ」ということも重要なのではないだろうか?
「撤退を決める時」が、事故を起こした後では意味がない。
日本の企業の体質?として、一旦新規事業に進出し、業績が芳しくないにも関わらず、ズルズルと事業を継続し、本体事業にまで悪影響を及ぼす、というケースがままとしてる。
とすれば、「撤退の目安」となるような指針も必要なのでは?という気がするのだ。
特に過去バスツアーで事故を起こした企業などの、事業規模を考えると業界全体として「ツアーの適正価格」と「事業撤退の目安」のようなものを作ったほうが、辞め時がわかりやすいのではないだろうか?
その結果として「格安」ではない「適正価格」の、ツアーが組まれるようになり、ツアーそのものが安心して楽しめるモノになると思う。