日々是マーケティング

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「原油安」は、メリットばかりではない

2016-01-24 17:55:50 | ビジネス

今年は、「冬らしい寒さがない」と思っていたら、先週・今週と強烈な寒さが日本列島を襲っている。
今日は、「奄美大島では115年ぶりに雪が降った」という、ニュースまであった。
その前には、沖縄近海の海では「寒さのあまり仮死状態になってしまった魚」という、話題もあった。

これほど寒くなると、外に出るよりも家の中で暖かく過ごしたい。
幸い、今年は原油安ということで、灯油などもガソリン同様に、昨年よりもやや安い。
この寒さでは、ありがたい「原油安」といったところだろう。

しかし「原油安」だからといって、手放しで喜べない部分もある。
そんな話題が、今日の朝日新聞の「天声人語」に、掲載されていた。
「原油安」となっている一つの原因は、「シェールガス」の存在だ。
非効率というイメージが強い「シェースガス」だが、取り出す技術などが進み、比較的安価に取り出せるようになってきた。
それが、石油産出国に影響を与えているという。
その中でも石油産出国としては最大規模ともいわれるサウジアラビアとイランが、対立し始めている。
元々、石油以外の資源がある訳ではなく、国の主な産業そのものが石油輸出に依存している国なので、その「石油=原油」の値下がりは、大きなダメージを受ける。
それだけではなく、サウジアラビアなどが持っている世界の市場からお金を引き上げることで、株価が急落するということも起きている。
今起きているのは「逆石油ショックなのではないか?」というのが、天声人語の指摘である。

このような心配をしているのは、「天声人語」だけではない。
京都でチョコレート専門店「ダリK」のオーナのブログでも、同様の指摘をしている。
同様の指摘というよりも、より詳しく書いていらっしゃる。
DariK HP(下へスクロールをしbloginformation⇒1.18「経済のハナシ」をご覧ください)。
元々、このチョコレート専門店のオーナさんは、金融機関で仕事をされていた経験を持っていらっしゃるので、このブログはわかりやすく経済の話しをまとめていると思う。
チョコレート専門店なので、カカオ豆の話が中心なのだが、「原油安」だからと言って、手放しで喜べる状況ではない、ということがわかる。

私と同世代(昭和30年代半ば生まれの方)以上は、1972年に起きた「オイルショック」のことを、よく覚えていらっしゃると思う。
あのころは、石油製品全般が影響を受け、様々な商品が値上がりをした。
値上がりだけではなく、商品そのものも店頭から消え去ったこともあった。
そのためか?「原油安」と聞くと、どこか安心してしまう部分があるように思う。

今回のような「逆オイルショック」のような状態では、「オイルショック」の時と真逆のことが起きると思うのは、間違いかもしれない。
というのも、「逆オイルショック」という状況はグローバルな経済活動が、当たり前になってきた今では、思わぬところに影響を及ぼすことがあるからだ。

「原油安」と、喜ぶ前に金融のグローバル化によって起きることを、洗い出してみる必要があるかもしれない。