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甘利さんの辞任で、思うこと

2016-01-29 19:46:51 | 徒然

昨日、甘利さんが経済再生大臣を辞任した。
辞任の切っ掛けとなったのは、週刊文春に掲載されたURに絡む建設会社から賄賂をもらった、ということだった。
この辞任劇を見て、時代が変わったな~と思ったのだ。

一つが、甘利さん自身があっさり?と、金銭授受を認めたことだった。
金額についても、報道通りの100万円。
そして、秘書にわたったとされる500万円についても、あっさり?と認めている。

甘利さん側としては、国会の会期中なので「党に迷惑をかけたくない」という、思いがあったのかもしれないが、あまりにもあっさりと認めてしまったことに、少し驚いている。
というのも、これまでこのようなことがあると、議員さんたちは「秘書に任せていたことなので」とか「記憶にございません」などという言葉で、逃げていたからだ。
それが「自分は100万円もらいました。適切に処理をするよう指示をした」と、言ってしまったのだ。
「適切に処理をするよう指示をしている」から問題がないのか?というと、決してそうではないはずだ。
にも拘わらず「適切に処理をするよう指示をしたから、問題ないでしょ」と、言い切ってしまっている。
もちろん「適切に処理をするよう指示をしたにも拘わらず、処理をしなかった秘書が悪い。その部分での監督責任を感じている」という説明になっているのだが、その前の「100万円、業者からもらいました」という、部分はどうなのだろう?
一番肝心な問題に、甘利さんご自身が気が付いていないのか?という、気がするほどの「あっさり認め感」なのだ。

それだけではなく「500万円のうち300万円を私的に使った」という、秘書の方もまた「あっさり認め感」がある。
40年前のロッキード事件以降、議員秘書の方々は「私の一存で・・・」とか「先生には、ご迷惑をかけました」などという遺書を残して自死されるケースが多かった。
「先生の汚点は、墓場まで持っていく」というような、感じがあった。
それが、良い・悪いというのではない。
ただ、国会議員としてのうしろめたさも、秘書として仕えるという「職業観」も、大きく変わっているのだな、という印象を受けたのだ。

秘書さんには、秘書さんの生き方があり、何も「滅私奉公」のように国会議員の先生に仕える必要はないと思う。
「先生の汚点は、墓場まで持っていく」という、発想そのものが「滅私奉公」的発想であり、そのために贈収賄事件の多くが、うやむやになってきたということもある。
その点では、今回の甘利さんの贈収賄は事件解明がしやすいのでは?という、期待感はある。

事件解明への期待感はありながらも、「口利き料」という賄賂を受け取るうしろめたさを感じないベテラン国会議員。
この「議員職」という仕事に対する、職業観が随分変わってきているのだな~という気がする。

甘利さんの後任である石原伸晃さんについても、福島第一原子力発電所事故で避難されている方々に対して「最後は、金目でしょ」という暴言があり、「金目でしょ」と言い切ってしまう人が、「経済再生」ができるのだろうか?