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「抗菌」商品に、一石を投じるか?米国「抗菌石けん」販売禁止

2016-09-03 21:59:48 | アラカルト

ドラッグストアーに行くと、様々な売り場で「抗菌」を謳う商品を見かけるコトができる。
文具から食器洗いスポンジや体や手を拭く「ウェットシート」などなど、本当に様々な「抗菌商品」を見かけるコトができる。
その中で一番「抗菌」を謳う商品が多いのは、やはり「石けん」や「洗剤」だろう。
それらの商品が並ぶ商品棚を眺めていると「日本人の清潔志向(というよりも「嫌菌志向」というべきか?)」を感じる。

確かに「衛生的である」ということは、とても大切なことだと思う。
衛生環境が劣悪な地域では、様々な感染症が発症し、多くの人の命が奪われている。
だからと言って、様々な商品に「抗菌」を謳わなくてはいけないほど日本の「衛生環境が悪い」のか?というと、決してそのようなことは無いのでは?という、気がしている。
むしろこのような「抗菌・殺菌」商品の氾濫で、必要以上に神経質になってしまっているのでは?という、気がするコトがある。

そんな日本の社会に一石を投じそうな記事が、日経新聞に掲載されていた。
日経新聞:抗菌せっけん、米国で販売禁止「効果に根拠ない」

あくまでも、米国での調査結果を基にした販売禁止ということなので、日本ではどのような対応となるのかはわからない。
何より、洗剤メーカーは社会的発言力が強い。
以前、「洗剤イヤ子さん」という商品が登場した時、洗剤の業界団体の圧力でCMが中止。その後商品そのものが販売されなくなった、という噂があったほどだ。

おそらく日本では、販売中止となることはないような気がする。
なぜなら、上述した通り日本人の「菌アレルギー」というか、「雑菌」に対する嫌悪感は米国の比ではないからだ。
言い換えれば、「抗菌・殺菌」を謳う商品そのものを求める生活者が多い、ということなのだ。
ただ、今回の米国の食品医薬品局(FDA)の発表は、日本の生活者に対して意識変化を起こさせるかもしれない、と感じている。

「抗菌石けん」などが、話題になり始めた頃から皮膚科の先生たちからは、「普通の石けんで丁寧に手洗いをすれば、問題ありません」と、言われ続けてきたような記憶はあるのだが・・・それが、科学的根拠として証明されただけの話のような気もする。