日々是マーケティング

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運転中のながらスマホ解消策?

2016-09-21 17:18:13 | アラカルト

ご存じの方も多いかもしれないのだが、実は愛知県は「交通死亡事故」が10年以上ワーストとなっている。
事故が多発する理由はいろいろあるようだが、いずれにしても名誉なランキングではない。
そんな交通事故を減らすべく!ユニークな企画が始まった。
日経新聞:トヨタとコメダ、「ながらスマホ」で異色タッグ

スマホにアプリをダウンロードをし、運転中は平らな場所(多くのユーザーは、運転席前だろう)にスマホを伏せて置き運転をする、という方法。
その状態=スマホを動かしていない=ながらスマホをしていない状態の走行距離(これはGPSなどによって計測するらしい)によって、名古屋の喫茶店文化の象徴であるコメダのコーヒー1杯分のチケットがもらえる・・・という仕組みになっているようだ。
平らな場所に置くだけという方法も簡単だし、コーヒー1杯分というのも参加するハードルとしては、ちょうど良いくらいだと思う。
ただし、使えるスマホはauの機種のみ。
今回は、社会実験を兼ねての愛知県限定、期間限定のサービスなのだが、発想としてはなかなか面白いと思う。

もちろん、使える機種がauのみとか、コメダのコーヒーという点で、不満を持たれる方も少なくはないと思う。
元々トヨタは「ツーカーセルラー(現在のau)」の代理店(出資関係があったと記憶している)だったので、au限定というのは仕方ないだろうし、スターバックスではなくコメダというのも、愛知限定なのだから、話を進めやすさがあったのでは?と、思っている。
いわゆる「大人の事情」ということだ。

それでも、この企画というか社会実験が成功すれば、「ながらスマホ」はある程度減るのでは?と、考えるのだ。
コメダだけではなく、スターバックスやタリーズのような全国展開をしているカフェが協力し、携帯電話各社が参加するようになると、より魅力的な「ながらスマホ防止アプリ」になるだろう。
もちろん、カフェの無料チケット欲しさに、「ながらスマホ」を止めるというという人は多くはないかもしれないが、動機づけという点ではある程度の効果があると思うからだ。

むしろこの企画の目的は「ながらスマホをしない」という習慣づけ、なのだと思う。
上述したように、その切っ掛けづくりとしての「動機づけ」の企画だと考えるほうがよいと思う。
実際このような企画で、愛知県の「交通死亡事故」が、劇的に減るとは思えない。
この企画の中心である(と思われる)トヨタは、自動車メ―カーとしての社会的責任という部分で、積極的に他社への参加を呼びかけるかもしれない。
その点で考えれば、auのほうが社会的責任は大きいのかもしれないし、docomoやソフトバンクも乗ってくる企画だと思う。
それは「スマホ」を提供する企業の社会的責任だからだ。