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「豊洲市場」の問題は、何が問題なのか?

2016-09-17 21:32:35 | アラカルト

「豊洲市場」の問題が表面化してから、その問題はますます広がりを見せている。
特に①盛土がされていなかった②盛土の代わりにコンクリートの空間があった③そこに水が溜まっていた、という「豊洲市場」という場所そのものの問題だったのだが、ここに来て違う問題も浮上してきている。
それは「誰が、盛土ではなくコンクリートで空間をつくるように」と、指示をしたのか?という点だ。

最初の複数の問題は、「豊洲市場の環境整備」という点での問題になると思う。
当初の説明通り、盛土をしないとベンゼンなどの汚染物質を閉じ込めることができなかったのか?という点が、コンクリートで固めるコトで、解決できたのでは?という、新たな疑問が出てくる結果となっているように思える。
そして「環境整備」として、実際に行った工事の内容が違えば、当然「工事費」という問題が出てくる。
当初の計画に合わせた「工事費」での、入札であればその工事内容にあった工事費でなくてはならない。
しかし現実は、違う工事内容になっており、積算された工事費の根拠は一体何だったのか?という、疑問が当然起きてくる。
場合によっては、予定とは違う工事を行ったことから、JV事業者(大手ゼネコン)が、返金をしなくてはいけないのでは?という、指摘がされてもおかしくはないだろう。

「盛土」の問題が発覚した時、着工時の都知事であった石原さんは、当初「(都職員に)だまされた」という内容の話をされていた。
ところが翌日くらいから「事前に話は聞いていた」になり、なぜか今日になって「(コンクリートにするよう)指示をした」という、内容に変わってきている。
ここまで話が変わってしまうと、「誰が設計変更の指示を出し、工事費の積算のやり直し指示をしなかったのか?」という、疑問が出てくる。

そもそも、石原さんの鶴の一声で「コンクリートにする」と言ったところで、汚染物質の影響を無くすコトができると判断できないと思うのだ。
そのために、専門家による「プロジェクトチーム」があったはずなのだが、その「プロジェクトチーム」が機能していなかった?ということだろうか?

そう考えると、今回の「豊洲市場」の問題は、
①「豊洲市場」という場所についての問題

②計画変更指示を誰が行い、計画変更に伴う費用の積算はされなかったのか?
という、2つの問題が絡み合っていると考えたほうがよさそうだ。
小池さんは、新たに検証チームを発足させ、違う問題を一気に片付けるようだが、「豊洲市場の問題」とまとめて考えるのではなく、問題の内容を分けそれぞれの責任を明らかにすることが、必要だと思う。

既に大手ゼネコンが中心となった、JV企業への支払いは終わっているとは思うのだが、工事内容が違うのであれば、返金をするよう求める必要があると思うし、求めなくては都民が納得しないような気がする。