日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ジャニーズを退所した3人の戦略と時代の変化

2017-10-02 12:52:49 | ビジネス

この時期であれば、衆議院選挙の話題とも考えたのだが、告示までに一波乱、二波乱ありそうな雲行きだ。
もう少し静観する必要があるような気がしている。
そこで、少し違うテーマのことを考えてみたい。

ジャニーズを退所した、稲垣さん、草彅さん、香取さんの3人が、早くも新しい動きを見せている。
「新しい地図」というファンサイトの立ち上げから、次々に新しい話題を提供している。
その中でも話題となっているのは、amebaTVで放送予定の「72時間ホンネテレビ」だろう。
72時間ぶっ通し生放送ということだが、地上波ではなくamebaTVというインターネット放送を選んでいる、ということで「ジャニーズの正反対の戦略」などと、言われているようだ。

確かに、ジャニーズ事務所はインターネットなどの新しい情報ツールに対して、過剰な反応をするところがあるようだ。
同じニュースにしても、新聞ではOKを出してもネット上では写真掲載がNGだったりするらしい。
当然、ジャニーズ事務所に所属しているタレントさんたちは、SNSなどは厳禁ということのようだ。
何と時代錯誤的な事務所なのか?と思うところだが、そのような考えの事務所なのだから仕方ないだろう。

その一方で、ジャニーズ事務所が既存のメディア、特に地上波テレビ局に対して圧倒的な力をもって、いろいろなことをしてきた(これからも継続するであろう)という話もある。
だからこそ、活動メディアの中心をネットにしたのではないか?という、指摘も様々なところでされている。
確かに、ジャニーズ事務所側が積極的ではない媒体であるネットを中心に活動をする、というのはジャニーズ事務所側を刺激しない為のようにも思えるが、それだけなのか?という気もしている。

例えば「ネットフリックス」。
ご存じのように、ネットのドラマや映画の配信サイトだ。
定額料金を支払うことで、無制限に好きなドラマや映画、アニメがテレビだけではなくPCやタブレット、スマホで楽しめる。
ネットフリックスをはじめとする、ネット配信サイトの強みは、定額料金で「見る場所・時間・ツールを選ばずにみられる」という点だ。
それだけではなく、「オリジナル作品」なども制作するようになり、「ネットフリックスでしか見られない番組」もある。
この傾向は、「ネットフリックス」だけではなく、AmazonやHulu、WOWOWなどにも見られ、ネット放送に限らず、定額視聴者という固定的なファンを獲得することで、過去に放映された既存のドラマの他、オリジナルドラマや海外ドラマなど、地上波では考えられないほどの番組を提供することで、新しいファンの獲得に成功している。

そう考えると、地上波のテレビ番組の視聴率全体が下がり続ける傾向がある中、地上波にこだわらずに新しいネット番組にチャレンジする、というのは新しいファンを作っていく上でも良い判断だったように思う。
それは、「ジャニーズ事務所を退所したから(ジャニーズの逆鱗に触れないように)」などという理由よりも、アジア進出であったり、これまで積極的にテレビを見ずにネットを利用する若い層に対するアプローチなのではないだろうか?

いつまでも、メディアの中心に既存のテレビ局があり、ネットがサブ的存在である、という考え方からメディア自身が脱却する必要があるのではないだろうか?