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失敗の分析は、しっかりやろう

2017-10-23 19:44:35 | ビジネス

昨日行われた衆議院選挙。
おそらく衆議院解散の時には、野党第一党として「立憲民主党」という政党になるとは思ってもみなかっただろう。
何故なら「立憲民主党」という政党は、まだ立ち上がったばかりで、しかも小池さんの「希望の党」から外された「民進党」の人たちが中心となってできた政党だったからだ。
解散の時には、メディアを含め「希望の党」がどのくらい議席を獲り、与党に迫ることができるのか?という、話ばかりだったような気がする。
結果はご存じの通りとなった。

「希望の党」が失速した原因の一つに、小池さん自身が言った「(民進党の人たちを)すべて受け入れるわけではない」という、発言に対して「民進党」側や「民進党」の支援団体である連合などから、反発の声が上がり、その頃から「希望の党」という政党そのものが、ギクシャクしてしまったような印象を持っている。
だからと言って、メディアなどが書き立てている「排除」発言が、失速の原因なのだろうか?という、疑問がある。

「希望の党」が、公示前の話題ほど議席をとれなかったのは、小池さんの「排除」という言葉ではなく、政策や公約そのものが、よくわからない内容だったからではないだろうか?
違う言い方をするなら「保守」であるが「自民党と違う」ということが、分かり易く示すことができなかったような気がするのだ。

例えば、「首班指名」の話題が出た時、「希望の党」選出の議員で結党時の仲間を指名する、という趣旨の発言をすれば、多くの有権者は納得したと思う。
残念ながら、小池さんは自民党の石破さんなどの名前を挙げていた。
これでは、自民党とどう違うの?という、疑問を有権者が持ってしまうのも仕方ないことだろう。
「結局、安倍さんが嫌いなだけで、自民党と同じなのだな」と、有権者が思ってしまうような発言だったように感じるのだ。

他にも、小池さんの発言には自民党時代には「YES」と言っていたことが「NO」という発言に変わったりしていた。
その象徴的な発言は、「原発」に関する内容だろう。
小泉元総理のように、「福島第一原子力発電事故以来、いろいろ調べてみたら原発はリスクが大きいと分かった。だから脱原発をしなくてはいけない!」という、考えを変えたプロセスがあればまだ、納得ができる。
しかし「環境問題に積極的に取り組む」と話していた時に「原発推進」と言っておきながら、今になって「脱原発」では、「票取りの為の発言か?」と思う有権者は多いのでは?

日本の政治家は「公約は公約であって、政策として実現できるわけではない」という趣旨のことを、うそぶく方がいらっしゃる。
何よりも有権者自身が、公約の実現を期待していないのかもしれないし、忘れてしまうのかもしれない。
政治家の皆さんにとっては「公約は、選挙の為のものであり、当選してからは別。公約など早く忘れてほしい」という気持ちもあるのかもしれない。(テレビ東京「池上彰の総選挙ライブ」:政界の悪魔の辞典より)
そのために、政治に対しての興味・関心が薄れていくのかもしれない。
だからと言って、選挙期間中にあまりブレた発言をするのは、有権者の混乱と不信を招くだけなのでは?

今回の選挙に関していうなら、安倍さんにとっての難であった「森友・加計問題」を、北朝鮮の執拗な挑発活動を「国難」と有権者を不安がらせ、それを改憲に結び付け、ご自身の難問をすり替えた策は、成功だったような気がする。
自民党を圧勝させたのは、北朝鮮だったのかもしれない。