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新しい「がん対策基本計画」に示された、今後の医療政策

2017-10-24 22:28:01 | ライフスタイル

衆議院選挙の結果の余韻が、まだまだ続いている。
小池さんが「ガラスの天井ではなく、鉄の天井があった」という趣旨の発言には、「どうなのかな?」という、疑問を感じている。
「ガラスの天井」は、多くの女性が感じる問題ではあるが、小池さんの「鉄の天井」は、ご自身が招いたものなのでは?という、気がしている。

政治のニュースばかりに注目している間に、新しい「がん対策基本計画」が、毎日新聞のWEBサイトに掲載してあった。
毎日新聞:がん基本計画 新計画は「がんの予防」など三つの柱に

「がん予防」と言っても、具体的な予防策が取れるのは「子宮頸がんワクチン」くらいで、この「子宮頸がんワクチン」に関しても、今現在は任意の接種となっており、積極的な予防接種にはなっていない。
理由は、今現在も進行している「子宮頸がんワクチン接種による副反応」の裁判の関係が、あるからだろう。
他の予防策として挙げられている「受動喫煙」に関しては、自民党のたばこ愛好家の議員さんたちの激しい抵抗にあい、まったくと言ってよいほど進んではいない。

そのような諸問題を抱えながらの「第3期がん対策基本計画」だが、その中で注目したい項目がある。
それが「がんゲノム医療の推進」だ。
人のゲノム解析そのものが、短時間で(比較的安価で)できるようになったこともあり、ここ数年で「がんに対するゲノム研究」が進んでいる。
この「ゲノム研究=遺伝子レベルでの治療研究」により、より効果が高く、副作用の少ない治療が可能になる、と期待されている分野で、米国では既にオバマ大統領時代に「精密化医療の推進」の中心として位置づけ、研究が進めらえている。

一見「がん治療」だけを対象とした研究のように思えるのだが、「ゲノム解析」を基にした治療というのは、がん以外の病気にも応用ができると、言われている。
現在難病と言われている病気の中でも、遺伝子が発症に大きくかかわっている、と考えられる病気全般に応用できるのでは?という、期待があるのだ。
しかし、難病の患者を対象としたゲノム治療を中心に考えると、「対費用効果」を考えると決して効率(という表現はあまり使いたくないが)が、決して良いとは言えないはずだ。
それに対して、「がん」に罹患する日本人は2人に1人と、圧倒的に数が多い。
研究サンプルとして扱える「ゲノム」の数が、違うのだ。
患者数が多ければ、治験を含め治療効果なども図りやすく、「ゲノム医療」の基盤づくりにもなりやすい、などが考えられるのでは?と、思っている。
生活習慣病の中でも糖尿病などの個別化治療に対する期待がある、という話も聞いたことがある。

今回の「がんゲノム医療の推進」は、上述したような「がんゲノム研究」を切っ掛けに、様々な病気の予防・治療への応用が可能なのではないか?という、期待もあるのでは?と、感じている。
そして、「精密化治療」によって、創薬の研究・開発などを促すことにもなるのでは?と、考えている。