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「アイヒマン」にならない為に-衆議院選挙を考える-

2017-10-08 21:34:42 | 徒然

今日のタイトル「アイヒマン」については、深く説明する必要はないと思う。
ヒットラーの命令により、数多くのユダヤ人殺害に大きく関与した人物だ。
ただアイヒマン自身は、とても凡庸で極普通の人物だった。
凡庸であることが悪いわけではなが、アイヒマンの問題は「自分で考える」という一番大切なことを、放棄してしまっていた。
従順に、ヒットラーの指示に従い、数多くのユダヤ人をホロコーストに送り出しただけで、「自分に責任はない」
と、罪悪感も無ければ、むしろ命令をしたヒットラーが悪いという意識を持っていた。
「自分で考えることをしなかった」ことが、アイヒマンを殺人者へと導くことになったのだ。

今回の選挙でも各政党は、様々な公約を掲げている。
その多くは「票を獲得するための公約」であって、実現をする為の努力を表明しているわけではない。
例えば、今日夕方の新聞社のWEBサイトには、安倍さんが「私立高校の無償化の検討」ということを言ったようだが、この唐突感は何だろう?
これまで安倍さんは、教育に関する発言はほとんどなかったような気がする。
強いていうなら、例の「森友学園と加計学園の問題」くらいで、それは教育というよりも「口利きがあったか否か」という話だ。
そしてこの問題について、安倍さんは説明責任を果たしたと思っていない有権者のほうが、遥かに多いと感じている。

「希望の党」の小池さんにしても、党を結党する前の発言と現在の発言にブレがあるような気がしている。
「ブレがある」ことを悪いと単純に言えることではないが、これまでの小池さんの「変わり身の早さ」を考えると、その場の「ご都合か?」とも感じてしまう。
まして小池さん自身は、東京都知事という立場で党首となっている。
今回の選挙で、過半数は無理でも第一党となったときの「首班指名候補」として、名前が挙がるのは党首として当然だろう。
だが、小池さんは国会議員ではない。
となると「希望の党」の党首である東京都知事の小池さんは「首班指名」の対象とはならず、「希望の党」の国会議員から選ぶということになる。
この「チグハグ感」は、本当に日本の政治は大丈夫なのだろうか?という、不安を与えることになるのでは?

ただ、投票をする側として、考えなくてはならないのは「実現不可能な公約」を、簡単に切り捨てないことだと思う。
不可能なら不可能なりに、どうしたいのか?どうするつもりなのか?という「地に足のついた」考えや手法を公約の中で、どう述べているのか?ということに注目する必要があると思う。
そして、安倍さんの「私立高校無償化検討」のような、耳障りのよい言葉に騙されない、ということも。