日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大人がしっかりとした態度を示さなかったら、子どもたちにどう説明することができるのだろう?

2020-07-15 12:43:27 | アラカルト

「今月22日から始める!」と、強気の政府の「Go To Travelキャンペーン」。
ここにきて、地方自治体の首長さんから猛反対を受けている。
青森県むつ市の市長さんは「Go To Travelキャンペーンは、新型コロナウイルスを拡大させる人災である」と、語気を強めて反対をしている。
朝日新聞:むつ市長、Go To に懸念 感染拡大すれば「人災に」

むつ市長さんだけではなく、山形県知事の吉村美栄子さんや今回の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県知事の蒲島さんなど、政府が前のめりになって、やる気満々の「Go To Travelキャンペーン」に、疑問や反対の声を上げている。
このような状況になって、政府の中からも「責任のなすりつけ合い」のような、発言が次々と出てきている。
毎日新聞:西村担当相、Go To「国土交省が適切に判断」衆議院予算委

他にも、東京都知事の小池さんが、疑問を呈すると「東京の問題」と菅官房長官が、言い放ったりしている。
News Week Japan:Go Toキャンペーン「感染防止に注意し活用を」菅官房長官 小池都知事は『東京問題』発言をめぐり批判

挙句の果てに、対象となる事業者などは「感染拡大防止を義務付ける」発言を国交相が発言をしている。
NHK NEWS WEB:Go Toキャンペーン「参加事業者に感染対策義務付け」国交相

おそらく、参加事業者は「感染拡大防止策」等は徹底して行う予定でいるはずだ。
何故なら、「クラスターが発生」した場合、参加事業者は休業以上のダメージを受けるからだ。
何より衝撃的に驚いたのは、与党である公明党の山口代表が、「(新型コロナ感染拡大に対して)過度の対応をすべきではない」と、発言をしていることだ。
Sankei Biz:「Go Toをやめるのは過度の対応」公明・山口代表が認識

自治体の首長さんたちは、「自治体の長として、責任がある」という趣旨の発言をされているにもかかわらず、国側は誰一人として「このキャンペーン実施に当たり、責任ある対応を用意している」とは、発言をしていない。
していないどころか「新型コロナ」に関して、これまで「責任はある」という趣旨の発言はあっても「その責任は、どのような内容で、どのように対応するのか?」という、「責任の内容」については、誰一人説明していないように思うのだ。
むしろ、西村大臣が「国交省が適正に判断」とか、国交相のように「キャンペーンはやるから、後は事業者さんよろしく」という、相手に丸投げで「責任はとりません」的な無責任さを感じるのだ。

このような「責任ある立場」の人たちが、自身の仕事に対して「責任の取り方」という手本を見せることなく、「責任のなすりつけ合い」のようなことを国民、特に子どもたちに見せている、という意識はないのだろうか?
このようなことを見ている子どもたちは、「責任ある立場といっても、責任を取る必要は無いんだな」と、理解してしまうのでは?と、懸念するのだ。
何より「自己益」ばかりを優先する政治家の姿をみて、日本の将来に希望を持てなくなる子どもたちが、今よりも増えてしまうことに、不安を感じるのは私だけではないと思う。