「新型コロナウイルス」の感染拡大が、止まらない。
4月に「緊急事態宣言」が出された頃よりも、感染者数が急増している、という点で不安を覚える方も多と思う。
何より、この3ヶ月の「自粛生活は、一体何だったのか?」と、落胆している方や戸惑いを感じている方も少なくないと思う。
落胆している方の中には「これまで、行きたいところにも行かず、我慢し続けていたのに!」と、感染した人に対してやりきれない怒りのようなモノを持ち始めている方も中には、いらっしゃるのではないだろうか?
当然、そのように感じている方たちを中心に「Go To Travelキャンペーン」等、今やるべきことではない!!と、言う強い気持ちを持っていらっしゃると思う。
元々、この「Go To Travel キャンペーン」は、「新型コロナウイルスの感染拡大が終息後実施」だったはずの、1兆円を超す予算を投入する政府の肝入りキャンペーンだったはずだ。
それが、二階幹事長などの強引な「夏休みに開始」という意見に押し切られて、詳細が決まらぬままスタートした。
その後、「関係者に受託団体から4,200万円の献金があった」という報道があり、このキャンペーンの開始を急いだ理由が、業界関係団体との利益供与だったのでは?という指摘までされるようになってきた。
文春オンライン:Go To キャンペーン受託団体が二階幹事長らに42,00円献金
確かに受託団体から42,00万円という献金は、無視できるようなモノではないが、だからこそ強引に始めるのではなく、「データ分析から得られた感染状況から、適切な時期にキャンペーンを始める」という、「立ち止まって、考える」という判断が必要だったのではないだろうか?
何故なら、受託団体にしても中途半端なキャンペーン開始では、思うような効果が得られないばかりか、場合によっては批難を浴びるばかりで、何のメリット(キャンペーンによる業界の金銭的ダメージの軽減)などが得られないはずだからだ。
ところが、残念なことに日本では「頼まれたことは、すぐやる!」という美徳がある。
一刻を争うような「頼まれごと」であれば、「すぐにやる!」必要がある。
例えば、人の命に係わるような問題の時だ。
しかし、一刻を争うようなことでもない場合でも、日本の政治家は「ハイ!ハイ!!」といいながら、状況の判断をしないまま実行してしまう傾向がある。
実行するだけではなく、「立ち止まって考える」ということもしない。
「立ち止まって考える」ことをしなかったために、日本全国には歴代の政治家の方たちが造ってきた「無用の長物」のような物が数多く残っている。
出来上がった時には、「素晴らしい!」と造った政治家と献金をした団体の方々は自画自賛したが、経年と共に生活者の負担となってしまっている場合のほうが多いのでは?
その時自画自賛した方々の多くは、鬼籍に入られているので責任の取りようもない。
そんなコトを、日本の政治家は繰り返してきたのではないだろうか?
その極め付きが、今回の「Go Toキャンペーン」のような気がするのだ。
4,200万円という献金と引き換えに、多くの国民の不安を煽り、感染症拡大を引き起こしている、という自覚はおそらく無いと思う。
何故なら、「Go To キャンペーン」の目的も実施の意味も理解をしていないので、「立ち止まる」勇気もないからだ。
一度始めた事業を「立ち止まり・再考する」ということは、失敗でも何でもない。
より良い事業を進めるために、必要なアクションなのだ。
少なくとも、受託団体のお偉い方々が「(自分たちは)ビジネスパーソンである」という自覚があるのであれば、そのような勇気を持ってほしいし、働きかけをして欲しいものだ。