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乗ってこそクルマは、その価値を生み出す

2020-09-23 21:24:41 | アラカルト

朝日新聞に、山口県が2千万円もする「皇族用車両を購入した」という、記事があった。
朝日新聞:山口県、2千万円の最高級車購入 来県予定のない皇族用

皇族用車両が、2千万円もするものだとは知らなかったが、そのような最高級車両を山口県が購入したことは驚きだった。
そのような車両が購入できるほど、山口県は財政が豊かなのか?という意味でも、驚きだったし、地方にお出かけされる皇族方を迎える為に各道府県が、このような最高級車を用意しているのか?と、疑問に思ったのだった。
もちろん、このような最高級車購入に関して、ヤフコメなどでは批難の嵐のようになっていた。

というのも皇族方が頻繁に来県するなら、維持費を含め償却できるかもしれないが、どう考えてもそれほど皇族方が来県するようなことはないだろう。
とすれば、購入の目的として考えられるのは、安倍さんと安倍さんの弟である岸大臣が帰省された時の送迎用、ということだ。
確かに安倍さんは、総理大臣を2度経験し在職年数も最長となった。
言わば地元の名士どころか、英雄のようなところがあるのかもしれない。
だからと言って「皇族用車両」を購入するほどのことだろうか?
普通の公用車では、ダメなのだろうか?

一昨年、天皇陛下が祝賀パレードで使われる車についての話題があった。
平成の時に購入されたロールスロイスのオープンカーが、わずか2回しか使われず廃車されることになり、新たに購入することになった、という話題だ。
ベストカーWeb:2回しか使わず廃車に 4000万円の御料車 皇室用ロールスロイスの真相

廃車になった理由は、「古くなり走行困難、部品が手に入らず」等があったようだが、もったいないを通り越して唖然とするような廃車のニュースだった。
そして、今回山口県が購入した「皇族用車両」もまた、同様の使われ方になってしまうのでは?という、気がしてしまう。

クルマは、やはり乗ってメンテナンスをキチンとすることで、長く乗ることができるのではないだろうか?
とすれば、せっかく2千万円も使って購入した「最高級車」を県庁の車庫で眠らせておくのは、もったいない。
ならば、「観光用タクシー」として貸し出す、という方法はどうだろう?
山口県下の観光名所を最高級車でめぐるだけではなく、宿泊も高級旅館や高級ホテル、観光地での食事も地元高級食材をふんだんに使った料理でのもてなし、という「VIP特別プラン」を県の観光課などが提案し、地元のタクシー会社が必要に応じて、県から借りるという方法だ。

購入理由はあるはずだが、今のところ県民が納得できるような理由なのかは、定かではない。
とすれば、購入に似合うだけの県民に対するメリット(この場合は、利用頻度を上げ、県の税収を増やす、ということになると思う)が、必要だろう。
購入し、年に数回動かす程度では、減価償却する時間がかかり過ぎるし、維持費もかかり過ぎる。
とすれば、今回の「皇族用車両購入」という話題を、地域活性化につなげるようなアイディアが、必要だと思うのだ。